人の話は笑わずにへらへらせずに真面目に聞け、と言っているだけである。

こっちは真剣に話をしているのだ。


それを


ゆとりがない

もっと余裕をもて


などと言われると頭が真っ白になるくらい腹が立つ。


いったい、何様だ。


そもそもこんなに細かく考えねばならなくなったのは誰のせいだ。


きっと脳の毛細血管は何本か切れただろう。

私も血圧は低くない。


ひさしぶりに腹から声を出し、目の前がちかちかするくらい叫んだ。

アタマがおかしいとか、情緒不安定とか、どう思われようが構わん。

なぜ、そんなにもきっちりピンポイントで人をいらつかせるのか、ある意味凄い技だ。


自分でも異常だと思う。

そんなに切れなくとも話はできるだろうに。


要は、こちらが思っているほど相手が真剣に受け取っていないことに絶望するからだ。

人がこんなにもいろいろあれこれ心を砕いているのに当の本人はヘラヘラしている。

何にも考えていない、悩んでいない、苦しんでいない、とは思っていない。


が、あまりにも自分に都合よく考えているその姿勢に心の底から怒りが湧く。


一晩寝れば、落ち着くだろう。

きっと向こうもすっかり忘れてあっけらかんとしているだろう。


だが、今はもう止め処なく溢れ出す怒りをどう抑えてどう解消したらよいのかわからず苦しい。

こめかみがキリキリする。

もし今、ヘラヘラ笑って茶化すような奴が目の前に現れたとしたら、ためらわずぶん殴る。


こうして吐き出していたら、少しずつではあるが鎮静してきたような気がする。

誰も知らない、私の拠り所だ。