この数回のカウンセリングは、去年の今頃のことを思うと
ずいぶん違うことをしてるなと思う。

去年の今頃は「あなたが悪いわけじゃない。自分を責めるのをやめなさい」
これがテーマで、このフレーズを自分になじませるのを
一番にやってきた感じ。

今はもちろんそのテーマは継続中なんだけど、
どっちかというと、普段の生活の気付きを心の中から引っ張り出して
違和感のある部分を相談する感じ。

それをカウンセラーさんがいろんな方向から眺めて
「ここはどう思うの?」「これはどんな感じ?」
「それを思った時の気持ちは?」とか質問される
それに答えていくと、自分でも見えてなかった「ほんとの気持ち」が出てきて
それをもう一回心に戻す作業が増えてきた。

その時に、新しく作った「ほんとの気持ち」がぴったり心にはまって
「この考え方の方がしっくりくるな」とか「これの方が生きて行きやすいな」とか
時には目の前がぱーっと明るくなる事もある。
パズルのピースが、ぴったりはまる感じ。

いびつな気持ちをトリミングしてもらって、心の穴にはめ直す。
これを繰り返してるうちに、ちょっとずつだけど、考え方が変わって行って
心が強くなるんだろうな。
仕事中にお手洗いに立った時に、鏡を見て「あれ?」と思った。
なんて言えばいいんだろう?
病気って言われる前の自分が映ってるように見えた。

ん?

昨日はそんな事思わなかったのに。
今日は何が違うの?
ちょっと自分観察タイム。
メイクも別に変えたわけじゃないし、服装もそんな変えてない。
んーー??
自分をじろじろ見て、ようやく分かった。
髪型だ!
やっと前髪伸びて来たからね(笑)

再就職活動を始めた半年ほど前。
それまで、前髪があごまであるような前下がりのボブヘアー。
まあ、ヴィジュアル系というかhydeみたいな髪型してました(笑)
それじゃ履歴書や面接に適していないというので
前髪を作ってさっぱりしたショートヘアーに。

勤め先が決まって、髪が伸びてきたら徐々に前の髪型に
近づくように形を整えてきた。
それが漸く実を結んだのか(笑)
でも、まだそこまで前髪が伸びてないから、もうちょっとかな。
それでも。自分が思ってる「自分」の全体的な雰囲気が戻ってきた感じがして嬉しい。

この半年近く、毎日休まず会社に出勤できてて
みんなに受け入れてもらえて、体調も大きく崩す事もなかった。
今はまだ仕事は半分見習い中だし、まだまだ出来ない事の方が多い。
それに、まだまだ診察もカウンセリングも必要だけど。
それでも、私の中にちょっとずつだけど変化が起こってて
迷子の自分が、自分が進んだらいい道を見つけ始めてるって事なんだと思いたい。
昨日の続き。

バリバラドラマ「悪夢」の中で、ハウス加賀谷が
「どうしてみんなみたいにできないんだろう?」と悩んだり
「普通になりたい」とノートに書きなぐったり、
「お前は普通じゃない」という幻聴に悩まされたりする。

障害者の集まるバーで「俺は普通だ!お前らとは違う!!」って叫ぶと
義足の女性から「普通って何?どういう事?」
「障害者と健常者って何が違うの?健常者ってどんな人?そんな人いるのかしら?」
と聞かれて、彼は答えに困る。
このシーンが突き刺さった。

普通。
憧れてる言葉だ。

インテークの時に
「どうして他の子みたいに出来ないの?って大人から言われてた」とか
「普通の人になりたいのに」「周りの人と一緒になりたい」
「なんでこんなに他の人と違うんだろう?」と繰り返してたのを思い出した。
最後に「やみーさんは普通になりたいんですね、普通が好きなんですね。」と
カウンセラーさんが微笑んでた。
「だって、普通じゃないから。私が普通の人になれるように
これからいろいろ教えて下さい」そう答えた。
今思うと、この頃ほんとに追い詰められてたんだろうな。
今書いてると、ちょっと恥ずかしい。
これを受け止めたカウンセラーさん、すごいな(笑)

だけど、普通ってなんだろう?
何が普通?誰が決めるんだろう?
久しぶりに思い出した感覚だ。
ずーっとずーっとこの年になるまで考え続けてた。
答えは出ないまま。

いつからだろう「普通」という言葉にはこだわらなくなった。
みんなあちこち変なんだって事も分かったし(笑)
変な所を上手いこと隠して、お互いに合わせていく方が大事だって分かったもの。
ここまでようやく来れた。

バリバラ、できればもうちょっと精神疾患の人を扱って欲しいなと思った。
鬱病や双極性障害、不安障害、それに適応障害などなど
「一見何ともないように見えるけど、実は精神障害を抱えてる」人は
とても多いし、そういう人たちも大変な思いをしている。
「一見何ともなく見える」から、自分の仲間がいるかどうかも分からない。
どういう事が困ってるとか、こんなんだけどこういう生活を送ってますとか
メディアでどんどん発信してくれたらいいのに、そう思う。