バカと無知 橘 玲 ★ | マルティン・ルターのぶろぐ

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はじめまして、マルティン・ルターです。今年の目標として読了30冊を掲げました。
今まで読んだ本も備忘録として残していきます。
主にビジネス書、リベラルアーツ、などです。+で中日ドラゴンズとごはん屋さんも発信していきます。

本日の読書感想文


 

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​バカと無知

​橘 玲
 


 

きっかけ 

 

書籍紹介NO.3

 

 

きっかけとしては、日本人が知らない遺伝の真実、言ってはいけない、もっと言ってはいけない、上級国民下級国民,無理ゲー社会など、毎回キャッチ―で、センセーションなタイトルで世間をざわつかせる、橘玲氏の新著ということで、もはや中毒的に購入しました。


 

テーマ 

 

※バカの定義:自分のことを過大評価するひと

(バカ、バカ書いてすいません、、、。)

 

テーマは、テーマは人は徹底的に社会的な動物だ。

「人並み以上効果」「バカほど声が大きく、論破を好む」の二つがポイントで、

 

■「人並み以上効果」

バカの問題は自分がバカだってことに気づかない。ダニング・クルーガーテストを行うと、能力が低い人ほど自己評価が高得点で、能力が高い人ほど、自己評価が低得点。能力が高い人はこれくらいなら、ほかの人もできるだろうと考える。

 

これはどういったことが考えられるかというと、10万年ほど前から、ヒトは150名くらいの集団で採取狩猟でくらしてきた、圧倒的に社会的な動物である。ということは、どの社会も実力主義で、三角形社会構造が形成される。実力がない≒社会の底辺となり集団から追いだされる。となるとその時代では生きていく事が難しくなる。だから、能力がないヒトが大きな声で、自分は能力があると言ってまわる。逆に能力が高いとどうなるか?その組織のトップの座のヒトから目を付けられ、潰される可能性がある。だからヒトは進化の過程でこのような、とても複雑なコミュニケーションを獲得していったのだろう。

 

「バカほど声が大きく、論破を好む」

見ず知らずの相手の発言を評価する時、私たちは実績よりも自信を参考にする。どれほど馬鹿げた主張でも、相手が自信たっぷりだと思わず信じてしまうのだ。「相手のことをとりあえず信用」するのがデフォルトになっているのは、人の本性が性善説だから、ではなく、脳の認知能力に限界があるからだ。

 

過酷な環境で、素早い判断をしなければ、生き延びられないなら、最も効果的なのは、「デフォルト」を決め、それに反した「異常」な出来事だけに関心を向けることだ。これで「考える」ことを最小限にし、貴重な認知資源を無駄にしなくて済む。こういった理由から、何の根拠のないことも自信たっぷりに大きな声で話せば、相手が承知することをしっている。昨今の陰謀説がSNSで流れるのことなんかはいい例かもしれない。

 

この2点は妙に納得できました。確かに声の大きい人の意見が通る、、、、。しかも「えっ」って感じる方にむかっていく。そして、その手の方が大変苦手でございます。


 

陰謀論? 

 

「進化的合理性」脳が陰謀論的に考える。ひとびとが誤解しているのは、これをなにか異常な事態だと思っていることだ。そうではなくて、ヒトの本性(脳の設計)を考えれば、世界を陰謀論 (進化的合理性)で解釈 するのが当たり前で、それにもかかわらず理性や科学(論理的合理性)によって社会が 運営されている方が驚くべきことなのだ。

 

なぜ脳が陰謀論的に考えるかというと、現実が陰謀で満ち溢れているからだ。数十万 年前に人類の祖先が高い知能をもつようになってから、誰もが濃密な共同体のなかで、 他者に対して陰謀を仕掛けると同時に、他者の陰謀に脅かされてきた。人間にとっての 最大の脅威は、むかしもいまも、 天変地異や捕食動物ではなく、自分と同じように高い知能をもつ生き物に囲まれていることなのだ。

 

ヒトは徹底的に社会化された動物なので、共同体を離れて一人で生きていくことはで きない。このようにして、弱者に共感して支援する、仲間のために自分を犠牲にする、 あるいは共同体の誇りをかけて戦うというような向社会性を進化させてきた。

だがその一方で、共同体のたんなる使い捨ての部品では、性愛競争に勝ち残ってパー トナーを得、子孫(利己的な遺伝子)を後世に残すことができない。生存のためには他者と協働しなければならないが、生殖のためには他者を押しのけなければならない。 これが、数十万年前から人類が直面してきた究極の矛盾(トレードオフ)だ。

 

その結果わたしたちは、徒党を組んで敵と対抗する一方で、表向きは協力しながら裏では足を引っ張って仲間を陥れて自分ステイタスを上げると戦略を駆使するようになった。ヒトの脳は哺乳類なかでも異常に発達しているが、これは相手をだまそうとしつつ、相手にだまされまいする「進化の軍拡競争」の結果だと考えられている(社会脳仮説)。

 

誰に陰謀を仕掛けられるかわからない社会では、脳は陰謀に適応するように進化したに違いない。このようにしてヒトは、あらゆることを陰謀論で解釈するようになった。

進化心理学では、知能の目的は自己正当化だとされる。 わたしたちは(無意識のうち に)自分の主張=物語を一貫させようとしている。こうして賢いひとほど陰謀論にはまると取り返しがつかなくなるのだが、これはたんなる知識の欠如ではない。道徳的に誤っていることは、共同体のなかでのステイタスを大きく傷つけ、自分の物語(アイデンティティ)を崩壊させるのだ。

サピエンス全史を読んだ後だとわかりやすですよね。ヒトの進化って難しい。女性が噂話を好きなものこの脳の仕組みが関係しているとか。体力を使わず、優れた遺伝子「利己的な遺伝子」を手に入れるために。政治の世界や会社の派閥なんかもこれにあたりますよね。