夫のモラハラが発動したのは、忘れもしない産後3日目の入院中のことだった。
その日から、夫は別人になった。
人の形をした鬼だと思った。理不尽極まりない言動の数々。
人外の生き物だから、会話が成立しない。
常時、イライラしているが、子供には甘い。
一番きつかったのは、働き出し、寝室を共にするようになってからだった。
家事も育児も仕事も必死でやった。
夫からの生活費は、少しは貰えていたが、全く足りなかった。保育料も私の収入から払っていた。
足りない生活費を補い、車の維持費を貯めておく必要がある。
そのほか、家族で遊びに行く遊興費。
高速代・入場料・飲食代・宿泊を伴えば宿泊費もろもろ諸経費。
夫の中では私が出すことになっていた。
私は夫に逆らうことが出来なくなっていたのだった。
何か言おうものなら
黙れ!うるさいうるさいうーるーさーい!しゃべんな!
や、
なんやねん!
である。
子供の授乳は2歳まで続いた。
なぜなら、義母に断乳や卒乳を邪魔されたからだ。夫も便乗してあれこれ言っていた。
勘の強い子で、すぐに身をそらして怒り出す。
家事も育児も仕事と両立するのに、ヘトヘトだった。
歯向かう気力も起きなくなっていた。
仕事を始め、慣れない仕事をやり、その職場でも授乳がある為歓迎会を辞退した後から、上司のあたりが強くなった。いわゆるパワハラだ。
怒鳴られ、ファイルを叩きつけられ、否定される。周りは見て見ぬふり。
情けないが、耐えきれずトイレで嗚咽を出して大泣きしたこともある。
やめるわけにはいかなかった。また無職になり、保育園もやめなければならなくなる。
そうなれば、食べることができなくなる。そんな危機感があった。
そんな中での、義母の嫌味に、卒乳や断乳を邪魔する義母と夫のふるまいや発言、夫のモラハラ。
義姉の子の泊まりがけの滞在など、ストレスなんてものじゃなかった。
子供が3歳になるくらいに、夫のモラハラは少々治まったが、当時は死にたくなるくらいに追い詰められていた。
夜も寝るのは次の日になってからで、朝まで子供が泣くとあやしたり、授乳する。疲弊していた。
現実感がなくて、感覚が麻痺して、年中一日中、頭がぼーっとした状態だった。
追記
現在の夫は、前に比べると穏やかです。
きっかけは、いくつかあるのですが、
とにかく、キレたり唸ったり、人を蔑むような発言は無くなりました。
夫が変わったきっかけを考えると、複雑な思いもありますが、夫との会話も前よりは出来る様になり、相談も以前に比べれば出来るようになりました。
緊迫した雰囲気は緩和され、穏やかな日々がこんなに素晴らしいものだと、最近わかりました。