ハワイでの汚水槽(cesspool)のお話。

 

 

ハワイ州では、現在 83,000世帯 において、汚水槽が使用され、汚水が未処理のまま放置されているという問題。

半分以上がハワイ島だが、オアフ島にも1万件ほど存在する。

 

https://seagrant.soest.hawaii.edu/app2/

汚水槽のある個所を示す。
赤色が水源に対する影響が高いため緊急に汚水槽対策の必要なエリア。

 

 

汚水槽というのは、基本的には地面に掘られた穴。

内張りがされている場合もあるが、汚水が未処理のまま周囲の地面に浸透していく。

そのため、排水中の細菌、病原菌、硝酸塩も、日常使用する水に入ってしまう懸念がある。

 

 

 

汚水槽利用が多いニューヨークのサフォーク郡では、過剰な窒素が地下水に流れ込み、海岸線にまで達し、有毒な藻類の繁殖、海岸の閉鎖、魚の死滅、貝類の制限を引き起こし、かつて繁栄していた貝類産業がほぼ完全に崩壊したそうだ。(情報元)

 

毎日、5,200万ガロン(約7万トン)の未処理の下水 が地下水に放出されており、これは2006年のアラワイ運河の件よりも大量だ。

 

2006年、下水管に問題が発生し、ホノルル市が6日間にわたり未処理の汚水 4600万ガロン を意図的にアラワイ運河に放出した過去がある。

その際、運河に落ちてバクテリア感染で亡くなった(かも)という人のニュースもあり(情報元)、「アラワイ運河に落ちたら感染症で死にかねんドクロ」という話は今でも耳にする。


2005年までに、全米で大規模(複数世帯住宅や商業建物)の汚水槽は閉鎖された。

ハワイ州では、2016年に一般住宅での汚水槽の新規設置を禁止。

さらに、2050年までにすべての汚水槽に対し、閉鎖するか浄化槽に転換することを義務付けた。

 

 

そして、保健省はこの春、ホームオーナーにそのための補助金として 2万ドル を与える試験プログラムを開始した。

最初の3日間で200件を超える申請があったという。

 

しかし、こんなペースでは2050年までに汚水槽を無くすという目標にはまったく追い付かない。

達成するには、年間3,000の汚水槽を処理しなくてはならないからだ。

 

現在の試験プログラムの予算は 500 万ドル。

毎年 3,000 個の汚水槽を処理するには、27 年間にわたり毎年 6,100 万ドルの費用がかかり、合計にすれば 16 億ドル以上となる。

多額の資金とともに、教育ももっと必要だと言う。

汚水槽を所有している人々は、汚水槽が環境、海洋、さらには飲料水源に影響を及ぼすことを果たして知っているのか。


レッドヒルからの燃料が水源を汚染するという事件に対し、人々は抗議活動を行い、きれいな水を要求した。
が、汚水槽からの未処理廃水が地下水に到達することに対する怒りや懸念は耳にしていない。

2021年末、ミリタリーの所有するレッドヒルにある燃料タンクから燃料が漏れだし、近隣の水道水を汚染した。

水道の蛇口から出る水をコップに注ぐと、表面にオイルの膜を目視できたレベルだった。

燃料タンクは閉鎖が決まり、これからタンクから燃料を排出する。

が、汚染された水源がもとに戻るにはしばらくかかるだろう。


「燃料と聞くと『ひどい!』と思いますよね。

でも、汚水槽も私たちの水道システムを汚染しています。

ハワイアンパラダイスパークで調査したところ、井戸の50%に糞便の指標となる細菌が存在していました。

それを考えると、私たちはこの汚水の一部を飲むことになるかもしれません。

これは非常事態なのです。」

 

叫び 💩 叫び 💩 叫び

 

 

今まで汚水槽に関するニュースを見ても、他人事だった。

単に古臭い方法を新しいシステムにしてるんでしょ、くらいの。

田舎のぼっとんトイレが、水洗トイレになって良かったねぇ、くらいの。

 

でも、話が 全然 違ったわあせる

こんなに生活用水に影響を与えていたとは。

海に流れていった硝酸塩は、リーフにも影響与えちゃうんだって。

うんち💩なんて土壌の栄養になるじゃん、って思ってたけど、過度で自然処理しきれないってことなのね。

水源にも遠く、隣の民家まで離れてるようなハワイ島の一角だったら、自然のチカラでバランス保てるんだろうけど。

 

にしても、水の美味しいはずのハワイなのに、レッドヒルの燃料流出に続き、PFAS(有機フッ素化合物)検出とか、汚水からのバクテリアとか、水問題が続くわね~キョロキョロ