先週、Hawaii Business Magazine主催で、これからのハワイのツーリズムに関するディスカッションが行われた。
パネラーは4人。
travel2change / Executive Director / Mondy Jamshidi Kent, MA
Hawai‘i Tourism Authority / Chief Brand Officer / Kalani Ka‘anā‘anā
Native Hawaiian Hospitality Association / Executive Director / Mālia Sanders
University of Hawai’i, School of Travel Industry Management / Professor Emerita / Pauline Sheldon
一言でいうなれば、、、
ハワイのツーリズムの在り方をがらりと変えていこう
というお話。
このディスカッションのタイトルでもある「Regenerative Tourism」。
リジェネレーションとは、「再生的」「繰り返し生み出す」といった意味。
ツーリズムを産業ではなくシステムとして捉えるようにしよう。
一部の人が関わる「産業」ではなく、社会全員が含まれるシステムから捉えなくてはならない。
外野にいて、ネガティブな批判をし、自分を被害者だと認識していても始まらない。
(ツーリズムに対しネガティブな意見が少なくない)
パンデミックになり、住民が望むツーリズムの形をあらためて考える機会があった。
ローカルコミュニティが望むものを形にしていくという選択肢がある。
従来のスタイルに慣れているツーリストが満足するにはどうしたらいい
今までの「ハワイで遊びまくろうぜ」からストーリーを変えていかなければならない。
まずは、ハワイという場所、コミュニティをMALAMA(大切にケア)したいという意志をもって、コミュニケーションを変えていこう。
これからの持続可能な(Sustainable)システムの将来を担う若者を中心に。
美しいハワイで時間を過ごすことが価値なのだから、その価値を守るのにはMALAMAの精神が必要だということを伝えなくてはならない。
そうでなくては、美しいハワイが失われていくことになり、ツーリストにとっても悲しい結果になる。
ツーリストがハワイに求めるイメージをあらためて再構築・再形成し、
ハワイというブランドをリポジショニングするために、
ツーリストに向けての教育やコミュニケーションを深めなくてはならない。
今までとは異なるマインドセットを持つ人が来るように。
これはツーリストに対してのみでなく、コミュニティの内側でも変化していく必要がある。
各ビジネスも、資本主義精神で、関係者の利害より株主の利益の最大化を優先していくスタイルから変わらなくてはならない。
リジェネレーションの新しいモデルに従って、価値感のシフトをする必要がある。
Buy Local (地元のモノを買う)は、ハワイ内でのシステムを循環させるのには重要なことだ。
コミュニティ自身も価値観を変えていかなければならない。
ハワイアンのパネラーが話す。
2000年にツーリズム産業に入ったときには、ハワイアンは5人ほどしかいなかった。
それが今では知ってるだけでも130人。
これからもどんどん増えていくと思う。
自分の持っているハワイの知識や文化を、それがリスペクトされるところでぜひシェアしていってほしい。
リジェネレーション・ツーリズムって具体的にはどんなこと
ツーリストではなくトラベラーになる。
その土地や文化をリスペクトし、学び、さらに良くしていこうという精神をもつ。
一回きり遊んで終わりではなく、その一部となって何度も訪れる存在となる。
パネラーの一人が、「観光客とコミュニティをつなぐ」アクティビティを紹介しているサイトがある。
https://www.instagram.com/travel2change/
フラやヨガ、チョコレート製造ツアーなどエンターテイメント的なものから、海や山、農場、フィッシュポンド、などでボランティア労働をするプログラムまで。
労働を要するものは無料、エンターテイメント的なものは有料の場合が多いよう。
ざっと見たところ、多くが予定未定で詳細が分からなかったけど、また参加する機会があれば紹介したい。
現段階では、いまひとつサイトが分かりづらいのが残念。
利用者がまだ少なく、稼動しきってないのかもしれない。
ハワイアンの人によるビジネスが紹介されたサイトもあるらしい。
「ハワイアン」にフォーカスがいくのは、彼らの文化がハワイをハワイらしくしているとともに、彼らの従来もっている文化や思想が、まさにリジェネレーションだからでもあるのだろう。
カイルアやラニカイでの過剰ツーリズムが、地元住民の負担となっている。
ラニカイは、いまや「ラニクライ(Lani Cry) 」と呼ばれるほどらしい。
Cry、つまり泣いちゃってる
家の近所にはビジターの車がびっしり。
ビーチも混雑。
この住民のストレスを緩和するにはどうしたらいい
自身もカイルアに住むというパネラーは、インフラ整備をあげる。
半世紀も何にも変わってないんだ。
住民も増えてビジターも増えてるんだから、駐車場などの施設を見直す必要がある。
それから、テクノロジーを使って、例えばリアルタイムで混雑状況を伝えるなどして管理したり、予約システムを導入してもよいと思う。
カウアイ島のあるビーチでは、困り果てた住民たちが自ら予約システムを考えて問題解決した。
被害者として嘆いているんじゃなくて、前向きに解決策を考えるべきだ。
お互いに、どうしたらいいだろうかという会話をどんどんしていく。
ツーリストが多すぎるからだよ、と問題をあきらめない。
文句言ってるけど、ツーリズムがハワイを経済的に大きく支えていることは無視できないんだ。
住民の健全で快適なライフスタイルを模索する中で、ツーリズムはポジティブに考えていかなければならない。
きっとできるよ。
ふ~む。。。
とってもイイことを話してる。
私自身は、その土地の文化や歴史に興味のある人なので、旅をすれば、なるべく地元感を探す。
なので、ハワイがこれから目指す路線は特別なものでもない。
だけど、ビーチ三昧、お買い物してトロピカル気分でお酒飲んで楽しみたいだけの人に、その価値観を植え付けられるのだろうか
あるいは、その価値観を前面に出したとして、そういう旅行者が減るのだろうか
やり方次第かもだけどね。
今の世の中、SNSでそれがクールでかっこいいって流れになれば、あっとゆーまに主流になりそうな気がしなくもない
タロの水田に脚ツッコんでタロ植えてる写真とか。
どこかの山で、植林に手を貸してる写真とか。
それが最高~って図ができれば
今は変化の時だから、人の考え方も変わってきてるから、もしかしたらもしかするかもだよね。
ツーリストにこれを要求する前に、自分たちがこうならないとだけどね。
窃盗犯罪やドラッグ犯罪、金儲け優先のバリバリ資本主義、汚職がちらほらバレてる政治、、、
たくさんの問題を抱えている。
スピリチュアル的に言えば、今のハワイの住民皆が、人を思いやり土地を思いやる ALOHA や MALAMA の精神を取り戻せたなら、自然に同じエネルギーの観光客を引き寄せるんじゃないかとも思う。
ハワイへのツーリスト云々以上に、これから人類がどう変わっていくか、って話かもね。