絨毯が敷かれてから1週間ほどした日の夕方、インターフォンが鳴った。
カメラを確認すると、上の階の奥さんの姿…!
慌てて出て行くと、仕事から戻ったばかりのような服装の奥さんが紙袋を持って立っていた。
「この度はご迷惑をおかけしてー」
と、オズオズとした感じで奥さんは言った。
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実はこの日の朝、犬の散歩に出た自分は、この奥さんらしき人と外廊下ですれ違っていた。
半袖短パンで、シューズは先が5本指に分かれた本格的なものを履いていた。
「おはようございます。」とこちらから挨拶すると、奥さんらしき女性は廊下の端に避けて、小さな声で「おはようございます。」と返してきた。
多分自分のことを上の階の住人と知ってるんだろうなと思った。
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その奥さんがやって来た。
自分はこういう時のために、何を伝えるか何度も頭の中でシミュレートしてきた。
それを険悪にならずに相手に届くように話さなくてはいけない。
ここに全てがかかっている。
「直接お話ししたいと思ってたんです。」
まずは穏やかに、そう伝えた。
続く
