国際協力調査会では鈴木綾国連大学事務次長補と根本かおる国連広報センター所長よりヒアリングを行い「国連改革UN80イニシアティブ」についてお話をしていただきました。UN80では「効率化と改善」「任務の見直し」「構造改革」を進めようとしています。たとえばマンデートの見直し。マンデートとは通常、総会や安全保障理事会などの主要機関によって採択された決議を通じて、加盟国から国連に与えられた任務や責任を指します。これらのマンデートは、平和維持活動や人道支援、人権保護や環境行動に至るまで、国連の活動の指針となっています。一方で、数十年にわたって、少なくとも40,000のマンデートが蓄積されており、その中には重複したり、時代遅れになったりしたものもあります。そのため、これらを見直すことが「UN80イニシアチブ」の重要な部分となっています。
国連でまとめられる決議の中に「来年、再来年議論しなければならない」という文言が入っていることがありますが、この文言が国連内の事務作業を増やす要因になってしまいます。こうした文言を落とすだけでもマンデート改革になりますし、期限を決めてマンデートを終了させる方法も考えられます。
https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/52377/

また、拠出金の効果が透明性を持っていることも国連改革の中で重視されることになると思います。日本は分担金の支払いを全額、期限内に行ってきた国です。アメリカは未払い分担金が約40億ドル超あり、2026年通常予算を15%を上回る水準です。
日本が国連に加盟にして70年です。継続的な国連への関与は日本の影響力、リーダーシップを高めることになりました。機能する多国間組織、多国間協力は世界の平和に繋がり、ひいては日本自身の安定と繁栄への投資になると考えています。しかし、国連を支える資金は2024年から2026年にかけて25%(160億ドル、2兆5000億円程度)落ち込む見込みです。
「安保理の機能不全」も懸念材料です。安保理常任理事国自身の国連憲章違反など「ジャングルの掟が世界を制して良いのか」とグテーレス事務局長も発言されています。安保理が動けない局面でも、国連総会による「平和のための結集決議」、黒海穀物合意による世界的食料価格の沈静化、ガザ・ウクライナにおける人道支援の継続、国際司法裁判所(ICJ)による法的拘束力のある決定を通じて、国際世論を高めてきました。国連広報センター所長の立場から「報道は安保理中心で、国連の実務があまり報道されていない」というコメントが印象的でした。

日本の強みは、平和国家としての信頼、架け橋的立場、約束を守るという定評、「人間の安全保障」の提唱国にあり、具体的には核軍縮、平和構築、国際保健、防災、水課題、WPSをリードしてきました。国連関係機関の専門職以上で働く日本人職員は過去最多の979人となっています。だからこそ日本は、国連改革に深くコミットすべきだと思います。
https://x.com/mofa_undivision/status/2047254895280218445?s=61&t=hjvTAKL6tsGUwsvZ1e7EKA
サッチャー首相はこう言っています(1985年)。「鏡に映っている姿が気に入らないといって鏡を呪っても意味はない。映っている私たち自身を変えるべきだ」国連が機能するかどうかは各国政府の意思と選択次第です。国際協力調査会でも議論を深めます。






