去年の秋、ちょっと素敵な女性と話す機会があって。
その時、インスピレーションみたいに、
自分たちが産まれる前(個になる前)にいた世界(全体の世界)と、
自分は、細い光の帯みたいなもので
つながっているんじゃないかなあと感じたんですよ~。
しかも、女性は、お腹からもその線が延びていて、
赤ちゃんは、その光の帯を伝って降りてくるんじゃないかなあと。
ちなみに私、いっつもこんなこと考えてるわけじゃないですよ。
普段は、イオンでどっちの豆腐が安いかとかを真剣に見比べてる
めっちゃ現実的な人間です。
でも、たまにこう、理屈抜きで考えることもありまして……。
私たちはもともと、個じゃなくて、全体だったというのは
よくある仮説だと思うのですが。
光の帯は、その全体につながる直通の糸電話みたいなものなんじゃないかと。
その帯を通じて、たとえば自分の身近な友達とか、
そういう人たちともつながってるんじゃないかなあと
ふいに、思ったんですよねえ。
たとえば、友達の夢をみたら、その本人から連絡があったり。
誰かの死を感じたりっていうのも、糸電話のお陰なんじゃないかと。
つらつらと、そんなことを考えていた春の日です。
新刊のあとがきにも書いたのですが、
前は、うまくいかないことは悪だと考える気持ちが強かったんですが、
年とともに、なんかまあ、うまくいかないというのは、一時的な事象であって、
うまくいかないとか、うまくいかないことへの執着みたいな気持ちは、
決して自分の全部じゃないぞと。
先述の、個と全体じゃないけど。
一つ一つの悩みや感情は、囚われちゃうと自分の全部、みたいに感じて
完全に飲み込まれちゃうんだけど、
実は悩みも執着も、自分の中のごくごく一部なわけで、
一度そんな風に俯瞰できると、ものすごく楽になるよなあと。
自分は空で、執着は雲。流れながら、形を変えながら、消えていくわけです。
だから、うまくいかないことや時期ももちろんあるんだけど、
そのことに飲み込まれるんじゃなくて、自らの意思で飛び込んでみたり、
俯瞰してみたり、自在に行き来できる限りは、
うまくいかない時期というのは、それはそれで美しい世界が展開されてなあって
悟ったみたいに言ってますが、うまくいかないとキャンキャンしてるか。。。笑
まあ、簡単にいうと、冬には冬の美しさや静謐さがあるし、
冬の雪解けの素晴らしさ、清浄さといったら、
なんかもう、他の季節はやっぱり及ばないよねと。
うまくいかないことは、悪じゃなくて、それもまた
生きていく中での素晴らしい景色の一つなんだよなあと。
まあ、そうはいっても、飲み込まれちゃいますけどね。
春にいて、冬の美しさを思ってみた今日この頃でした。
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