「万寿子さんの庭」 by 黒野伸一 | *life is like a box of chocolate*

「万寿子さんの庭」 by 黒野伸一

「万寿子さんの庭」 by 黒野伸一

★★★★★

本当にその辺の日常に転がっているようなストーリー。
登場人物がみなとても自然で、あたたかく書かれているところに好感を持った。
メインの人物は引っ越してきたばかりの20歳の京子さんと、近所に住む78歳の万寿子(ますこ)さん。
2人の出会いからこの本は書かれていて、58歳差の友情とその終わりまでしっかりと描いている。
これを読みながら、人が老いてゆくことの自然さを強く感じ、
日常の積み重ねとはどういうことか考えた。
また、何かと人は人や起こっているもの後に対してlabelingをしたがるけれども、
それをすることによって変化する心の不自然さについても考えた。
とても心に残る、一冊。