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再規格化(くりこみ)

6月14日時点での、東京都の1月23日以降の報告日別陽性者数と確定日別陽性者数です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

報告日別陽性者数の累計と確定日別陽性者数の累計の推移を表すグラフは次にようになっています。ここで、報告日別陽性者数の累計は1日ずらしてあって、たとえば、このグラフでの6月13日の報告日別陽性者数の累計の値は実際は6月14日の値です。

4月の中旬あたりで最大300人ぐらい2日以上報告が遅れていたことがわかります。

 

 

 

5月7日以降の累計を最新の値(確定日別陽性者数は6/13、報告日別陽性者数は6/14)が一致するようにしたものが下のグラフです。

6月上旬あたりは2日以上の報告の遅れは少なかったことがわかりますが、最近再び報告の遅れが多くなってきたことがわかります。

 

東京都が発表している陽性者数は3種類あって、判明日別陽性者数と確定日別陽性者数と報告日別陽性者数があります。

それぞれは次のように定義されています。

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

 

●判明日別の陽性者数 

検査結果の判明日を基準とする。

(これが陽性率の算出に用いられています)

●確定日別の陽性者数 

患者発生の動向をより正確に分析するため、各保健所から報告があった患者の発生情報を、

PCR検査により陽性であることを医師が確認した日別(確定日別)に整理したものである。

●報告日別の陽性者数 

保健所から発生届が提出された日を基準とする。

(翌日の9時を締め切りにしているため、発生届が提出された日が基準となっていません。0時から9時までの間に発生届が提出された事例はほとんどないようなので、発生届が提出された日を基準とするなら、毎日発表されている陽性者の数は「今日確認された」ではなく「昨日確認された」とすべきです。また、すでに陽性と確認されているにも発表する陽性者には含めない場合も多数あるようなので、実態は東京都がその日に発表したい陽性者の数になっているだけです。)

 

ここで、各日の確定日別陽性者数の前日からの増加分の合計がその日の報告日別陽性者数になるように調整されています。

 

以前は報告日別の陽性者数だけが発表されていましたが、これまで大量の報告漏れなどが見つかり、すでに2回大きく修正されています。

次の図のように、確定日別陽性者数はその累計の最新の値が報告日別陽性者数の累計の最新の値と一致するようになっています。

 

また、途中で確定日別陽性者数の累計と報告日別陽性者数の累計の差が大きくなっていることがわかります。

4/20頃では、この差は300人を超えています。これはこの時点で陽性が確定しているにもかかわらず、

まだ公表されていない陽性者数が300人いることを意味します。

 

 

 

5月上旬の陽性率の発表とともに判明日別陽性者数が発表されるようになりました。これはグラフから値を読み取ることもできますが、

下の方にある「テーブルを表示」を押すと、それぞれの日の陽性者数、陰性者数、検査人数、陽性率が表示されます。

5/6以前の値も表示されますが、この時の値は一部の集団での結果なので、5/7以降の値と比較することに意味はありません。

 

 

 

6/2時点での直近10日間の判明日別陽性者数、判明日別陰性者数、判明日別検査人数の値は次のようになっています。

 

 

 

 

そこで、5/7以降の各陽性者数の累計を比較してみると、現時点では次の図のようになっています。

確定日別陽性者数の累計の最新の値と報告日別陽性者数の累計の最新の値との差は48人になっています。

これは5/6時までの確定日別陽性者数の累計と5/7までの報告日別陽性者数の累計との差が48人ぐらいいたことを意味します。

 

 

 

 

判明日別陽性者数の累計と確定日別陽性者数の累計は途中多少の差は生じるものの、

それらの意味から同様に推移していくはずです。それにもかかわらず、5/20以降それらの差は徐々に大きくなり、

現在32人に達しています。これは現在公表されている陽性者数に約30人の漏れがあることを意味します。

いったい何をやっているんでしょうか。

 

6/2に発表された34人の陽性者のうち、6/1に確定していたのは18人、5/31以前に確定していたのは16人(5/29以前に確定していたのは10人)ということがわかっています。確定してから発表するまでに時間がかかりすぎています。

 

 

 

 

東京都は確定してから発表するまでに数日のタイムラグがあっても当然と考えているようですが、早急に改善すべきです。

第2波が来た時にまだこんな状態では、再び大量の報告漏れが生じることになるでしょう。

 

東京都は5月の上旬から次のサイトで新型コロナの検査での陽性率を発表するようになりましたが、

6月1日の更新で、5月7日以降の値が大きく変わりました。

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

 

●5/29日時点

●6月1日時点

 

 

この大幅な修正は次の記事が報じられたことが大きく関係していると思われます。

“消えた”東京の陽性者162人 保健所と医療機関の報告に差

https://www.tokyo-np.co.jp/article/32226

 

簡単に説明すると、5/7日以降、保健所を介して報告された人数が医療機関等から直接報告された人数より162人少なくなっているというものです。

 

東京都が発表している陽性者数は3種類あって、判明日別陽性者数と確定日別陽性者数と公表日別陽性者数があります。

それぞれは次のように定義されています。

 

●判明日別の陽性者数 

検査結果の判明日を基準とする。

(これが陽性率の算出に用いられています)

●確定日別の陽性者数 

患者発生の動向をより正確に分析するため、各保健所から報告があった患者の発生情報を、PCR検査により陽性であることを医師が確認した日別(確定日別)に整理したものである。

●報告日別の陽性者数 

保健所から発生届が提出された日を基準とする。

(17時より早い時刻に発表しているので、これは正しくないと思われます)

 

5月31日時点ではそれぞれ次のような値でした。

 

 

 

 

報告日別陽性者数の値だけ1日ずらしてあります。(5月29日の値は実は5月30日の値です)

判明日別陽性者数の累計と確定日別陽性者数の累計の差は5月30日時点で約200人もあります。

この結果はそれらの意味からして明らかにおかしいです。

 

こういった点をtwitterで指摘していたら、6月1日に陽性率がしれっとすり替えられていました。

それを算出するための判明日別陽性者数と判明日別陰性者数の値もびっくりするほど大きく変わっていました。

すり替えらる前後での値は次のようになっています。ここで、B列が判明日別陽性者数で、

C列が判明日別陰性者数で、G列を二桁で表したものが発表されている陽性率になります。

 

●5月30日時点

 

●6月1日時点

 

 

各陽性者数は次のように変わりました。

 

 

 

 

すり替わった後でも、5/7以降の判明日別の陽性者数の累計と確定日別の陽性者数の累計には

6月1日時点で40人の差が生じています。 

また、次の表をみると、5/25~5/31での判明日別の陽性者数(B列)の合計は116人ですが、

確定日別の陽性者数(C列)の合計は83人しかいないことがわかります。

先週1週間で30人ぐらい公表されていない陽性者がいる可能性があることを意味します。

相変わらず、かなり出鱈目です。

 

 

 

東京都のサイトの陽性率の注には、

「速報値として公開するものであり、後日確定データとして修正される場合あり 」という説明がありますが、

これだけ大幅に値が変わったのであれば、東京都はその理由をきちんと説明すべきでしょう。