初めて来る劇場ですが、僕の住んでる土地からは意外と近い武蔵小山。新宿からも20分程度ということで、案外穴場なホールなのかも。
40minutesって何かな?と思ってかーくんからのメールを見直していたら、どうやら三団体が40分程度の短編を同時上演する企画。
その一つがかーくんの所属するInnocentSphereさんの公演という訳です。
40分の短編とは言えイノセントさんの新作!
ワクワクしながらホールに到着。
デカイ!
そしてキレイ!
入り口前が公園で開けてるのがちょっと青山劇場っぽい。
受付に並んでチケットを引き換え。
「牧島です」
「はい、かしこまりました!」
チケットを探す受付さん。
しかし、見つからない。
「すみません、アキヤマ様で宜しかったですか?」
「いえ、まきしま、です」
牧島という名前は一発で入場できることの方が少ない。
大抵マツシマかアキシマになる。
アキヤマは新しいな…
などと思いつつ、客席へ。
400人を収容するホール。
そしてまさかの自由席!
ちゃんとメール見てればわかったのだが…と適当な自分を悔いる。
しかしながら、中通路前の下手ブロック通路横のなかなかいい席をゲット!
開演を待つ。
客入れ曲からさりげなくキッカケ曲に乗り替わる。曲調で「あ、これだな」と解るあたりがイノセントファンな牧島。
日によって三団体の順番は違うそうなのだけど、今日はイノセントさんからの開幕だった。
イノセントさんは「セイレン」というタイトルの新作。他団体との共同なので、舞台装置はいたってシンプルなのだけど、出演者自らが舞台上で波音を表現したり、照明も効果的。装置がシンプル故の展開の早さでドンドン話にのめり込む。
僕は観劇するとき、予備知識なしで行くタイプ。
なので、震災後の浜辺街、という設定に気付いたのは幕が開いてしばらくしてからだった。
まだ初日が開けたばかりだし、ネタバレになることは書けないのだけど、ごく自然に物語が始まった、と思って、のんびり観ていると、突然に辛い現実を突きつけられる。そんな感じ。正直心が痛んだ。正直あの震災からまだ4年。もうじゃない。まだだ。一瞬「まだ早いんじゃないか…」と不安もよぎる。
でも、イノセントさんは、真正面から震災と、それを体験した人たち、そしてまた、体験しなかった人たちの想いと向かい合ってこの作品を作っていた。
だからこそ、痛いし、辛い。
でも、そこにある想いが、人と人の想いが、
その痛みと辛さを抱きながらも、温かいものへと昇華していく。
実際のところ、僕はあの震災、津波を映像やその他の記録で知っているだけで、体験としては語れない。
だから、この作品が、震災を体験したかか否かで見方がきっと違う物なのだろうということも解る。
でも、忘れてはいけないことがある。
そして、それでも前に進まなきゃならない。
その想いは、万人にきっと通じる不変的な想いなのだとも感じた。
きっと、この作品の魅力は、本当に観なければわからない。
少なくとも、僕がここで書く文章ではとても伝え切れない。
是非とも沢山の人達に観て欲しい。
心底そう思いました。
詳細は省きますが、あと二団体の作品がもれなく観られます!
3本観て正味120分。休憩なしでドンドン次に突っ込むので、映画一本分くらいの程よい時間です。
そして、観劇後にはどの団体さんの作品が一番良かったか、という投票があって、千秋楽に表彰式もあるそう。
僕がどの団体に投票したのかは、あえて言いません。
バレバレだけど(笑)
初日ということで素直に退散しましたが、今度ゆっくりかーくんと飲みながら、今日見た作品の話をしたい。
そんな風に思える作品を見せてくれて、
ありがとう、かーくん。