ライブ感。 | まきおの隠れ宿

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劇団スタジオライフの牧島進一です。
皆様との交流の場をコソッと増やそうとブログを始めてみました(^_^;)
内容は徒然、不定期更新になると思いますが、
宜しくお願い致します!

舞台は生物とはよく言ったもので、
日々同じ台本、同じキャストで公演を行っていても、全く同じ世界は決して生まれません。

昔師事していた先生は

「舞台は龍のようなもの。その姿を想像し、どんなに追い求めても、決して捕らえることはできない」

そんな風に言っていたことも思い出します。

4日目を終えたLilies。
マルケリアヌスの初日挨拶で芳樹さんや海司さんが言っていたように、
まさにライブです。
アドリブも遊びの要素も一切ない今回のような戯曲でこれほど強くそれを感じることはかつてなかったかも知れません。

きっと他のキャストも同じように感じていることですが、
びっくりするくらい、安定しないのです。
その日、その時、その瞬間。
相手の言葉や表情から受け取って揺れる感情。
それがほんの一ミリでも違えば、自分の次の言葉、表情も変わる。
でなければ嘘をつくことになります。
昨日こうやったから同じように、という訳にはいかない。

僕も実際、本番中、自分の台詞をこう言おう、とか、ここはこういう表情でやろう、とか、一切考えていません。
ある程度の道筋は開演するまでにシミュレーションを重ねます。
でも、幕が開いたらただ生きるだけ。
リディアンヌとして、
また、リディを演じる一人の囚人として。
だから、本番中に稽古で一度もなかったような言い方になったり、表情になったりということが当たり前のように頻発します。

一役者として、
これはすごく幸せなことで、
また同時に怖くもあります。

囚人として見ている時間、
また舞台袖で待機している時間も含めて、一瞬たりとも気が抜けない。
とにかく持続させなければならない集中。

そんな張り詰めた空気が、僕はたまらなく好きで、Liliesという作品を上演する度、スタジオライフに入団して良かったなって、改めて思います。

マルケリアヌスも2日目を終え、僕のリディはあと8ステージ。
あと8回もこのライブを味わえる、と思うと同時に、
早くもあと8回しかない、なんて気持ちも湧いてきます。

一回、一回、
終演した時にエネルギーがまだ残ってる、なんてことのないように、
全て燃やし尽くしたい。
そんな風に思います。

また、今回はお客様もグッと集中して見るタイプの作品で、笑いも殆どありません。でも、お客様の気持ちは舞台上にガンガン届きます。
それに背中を押され、僕らの気持ちも加速して、だからこそ稽古では生まれ得なかったことが本番で生まれているんです。

今日も沢山の気持ちをもらって演じることができました。本当に、本当に感謝しています。

明日も精一杯、
このLiliesという伝説の生き物の姿を、追いかけようと思います!


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写真は蔵出し。
イベントの際の一コマ。
明日もバトルです(笑)