子供の日。 | まきおの隠れ宿

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劇団スタジオライフの牧島進一です。
皆様との交流の場をコソッと増やそうとブログを始めてみました(^_^;)
内容は徒然、不定期更新になると思いますが、
宜しくお願い致します!

5月5日。子供の日。

大人になるとただの祝日で、あまり子供とか意識しない子供の日。でも、今年は違いました。

某ミュージカルスクールの発表会。
3歳児から中学生まで幅広い年齢の子供達が通うスクールの発表会。これを観に行くことに。

勿論僕には子供はいません。
知り合いに子供は何人かいますが、このスクール通ってる子はいません。

理由は…

この方!

photo:01



我らが座敷童子、順華ちゃんが出演していたのです。

先日順華ちゃん本人から直々にメールでお誘いがあって、観に行くことに。

電車を乗り継ぎ、江戸川区総合センターへ。ちょっと道に迷って直前に到着。

順華ちゃんに取ってもらったチケットを受付で受け取る。

photo:02


これは…I列かな?

座席表を確認する。

縦の列には舞台側から順に1~20くらいまで数字が並んでいる。

「…数字?」

まだ信じられず、受付の人に尋ねる。

「あの、これって数字ですか?アルファベットですか?」

「数字の1です。最前列ですね」

受付の方が少し笑いながら応える。

「マジか」

思わず声に出してしまう。
最前列で舞台なんて観たことない上、ご父兄でもない俺がいいのか?
というか、幼女が好きな変なオジさんに見えちゃうのでは…?

そんな不安を抱えながら、開演直前、最前列へ。

第一部はミュージカルレビュー。
キッズクラスから順に、一曲ずつ披露していく。やがて最後の曲。順華ちゃんのいるジュニアクラス。

曲がかかると10人くらいの子供達が黒い衣裳で位置に着く。
他のメンバーをバックに背負って、センターに二人女の子。
その一人が順華ちゃんだった。

ダンスもバリバリに踊り、歌もメインを務める順華ちゃん。

「マジか…」

今度は心の中で呟く。

相当上手い。

歌もダンスも素人目に見てもかなり上手い。つい先日楽屋で

「ね~む~い~」

と座布団敷き詰めて頭からダイブしていた子なのか?
と目を疑う。

圧倒される中、第一部が終了。

二部のバレエクラスの発表を経て、いよいよメインの第三部。
約一時間のミュージカル。
大筋は、小学生の女の子が孤児のトンビのひな三羽を拾って育て、恩返しにトンビたちが人間の姿になって、廃業寸前のみかん畑を復活させる、というお話。
順華ちゃんはトンビ三兄弟の一人の人間になった姿、琴美ちゃん役。

小学生の子供たち役はキッズクラスの子供達が演じ、お母さんや先生、お祖父ちゃん役をジュニアクラスの面々が演じる。
子供だけのミュージカルってどんなだろうと思っていたけど、観ているうちに自然に見えてくる。お母さんはお母さん。先生は先生に。
スタジオライフで女性役を男がやるのと似ているかも知れない、と思う。
違和感は最初だけだった。

自然と順華ちゃんを目で追い、その演技や歌に耳を傾ける。
ドンキーの翼であんなに小さく見えた順華ちゃんは、演技でも役でも他のメンバーたちを引っ張る頼もしいお姉さんだった。

たった一ヶ月一緒に過ごしただけ。
だけど、その順華ちゃんの姿にちょっと泣きそうになる。

発表会恐るべし。


終演後、順華ちゃんとの面会へ。

二部の途中から滑り込んで隣で観ていた他のドンキーメンバー二人と共に順華ちゃんを待つ。

やがて、集合写真の撮影を終えた順華ちゃんが、大混雑するロビーを掻き分けてやってきた。

「どうもありがと~」

ほんわりした口調。
舞台上での凛とした口調から、楽屋での順華ちゃんに戻っていた。

「すごいなぁ、びっくりした。めちゃめちゃかっこ良かったぞ」

頭を撫でる。

「そんなことない、間違えちゃったし」

座敷童子の出番の後、スタンバイしている僕に「間違えちゃった」とか「噛んじゃった」とかちょっとだけ落ち込んで報告してくれたことを思い出す。

「大丈夫、全然わからなかったよ」

実際わからなかったし、それ以上に見事過ぎた。

しばらく皆で話し、やがて、劇場を出る。

「また会おうね!」

手を振って、僕らを見送る順華ちゃん。その姿は僕らが知っている、11歳の女の子。何故だかホッとしてしまう。

「またね」

手を振り、別れる。


ここ数年で、最高の子供の日だった。

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