デリケートゾーンがかゆくなると大変です。

しかし、

忙しくて受診できない....

週末で病院は閉まっている....

実際、年末年始に病院が閉まっていて、

眠れず辛かったと、

患者さんたちが駆け込んでいます。

そごで、応急対策とカンジダについてお話します。

 

「カンジダ」は真菌の一種です。ありふれた病気です。

時々むずがゆくなることはありませんか?

軽症ならあれ?と思っているうちに症状はなくなります。

しかし、時には泣きたくなるくらいかゆくなります。

カンジダは腸の中や腟の中に普通に存在しています。

少量のカンジダがいること自体は問題ではありませんが、

腟の中で増えるので眠れないくらいかゆくなるのです。

 

1)カンジダの原因

カンジダそのものが腟の中に存在することは病的ではありません。

それが増えて症状を引き起こすのが、

「カンジダ腟炎」「外陰炎」となります。

月経前、抗生剤やピルの内服、体質や生活習慣、免疫力低下が関連します。

糖尿病や免疫疾患のかたにはよくおこる病気です。

 

2)性病ですか?

性行為は原因のひとつにもなりますが多くなく、

性病ではありません。

性交渉の経験がない女性もカンジダになります。

症状がある時は性交渉はやめたほうがよいでしょう。

パートナーに感染させるというより、

炎症で、腟粘膜がよわっており、

性交渉の刺激は悪化の原因になるからです。

通常は自然に治ります。

症状がなければ、カンジダは問題にならないからです。

 

3)症状は?

かゆみです。

あまりに痒くて下着やテッシュで擦ってしまい、

痛みを伴うことがあります。

いわゆる「痛がゆい」。

おりものが白くてクリーム状、あるいは

酒粕のようにパサパサしたものがでてきます。

そうなると腟までかゆくて大変ですね。

 

4)鑑別診断

①ヘルペス外陰炎

 最初は痛がゆい。やがて痛くて排尿困難へ。口にできる口内炎のような潰瘍が

 外陰部にできる。自力では治せません。抗virus薬。

②接触性皮膚炎

 生理や尿漏れ、おりものパットが原因になります。

 下着の質をかえてみる。汚れたらすぐパット交換しましょう。

 いわゆる宣伝されている軟膏を使用してもいいかも。

 それで治癒しないなら受診を。

③性病の初期(梅毒など)

④白斑症

⑤前癌状態

 

その他いろいろありますが、

カンジダはとにかくかゆいのが特徴です。

おりものが変化した場合は受診をすすめます。

 

治療は?

自然治癒しない時は抗真菌薬を使います。

腟に直接入れる腟錠剤と塗り薬です。

膣錠はものによっては1錠のみ、

毎日挿入するものもあります。

おりものが多い場合は腟洗浄後に挿入します。

塗り薬は数日使用する程度でかなりラクになります。

 

最近、薬局さんによっては「抗真菌剤」が売ってます。

私のかかりつけ調剤薬局さんには普通に売ってます。

 

エンペシド軟膏、膣錠。

 

昔は販売されていなかった

「腟錠(腟にいれるくすり)」も販売されており、

女性にとってはありがたい話です。

痒み止めのクリームは多種類、販売されていますが、

かゆみ止めだけの記載で購入すると効果はありません。

必ず「抗真菌剤」「カンジダ」の薬を選んでください。

かゆみがなくなればOKです。

 

ここが大切です。知っていただきたいこと。

かゆい=免疫低下している

 

免疫低下を引き起こす原因についても考えましょう。

偏食や睡眠不足、ストレスはカンジダ症の誘発因子です。

免疫低下はカンジダ症だけでなく、

コロナやインフルエンザにも

かかりやすくなりますので赤信号!注意が必要です。

 

外陰部がむずっとかゆいな...と感じたら、

免疫力が低下しているかもと考えて

ご自身を大切になさってください。

よく寝て、バランスよく栄養をとり、

そして、笑っていたら...

かゆみもいつの間にか自然になくなります(自然治癒)。

 

くりかえしのかゆみのあるひとは、

内科的な病気(免疫疾患、糖尿病)が原因かもしれません。

前に記載しましたが、

まれですが外陰の前がん状態のサインかもしれません。

かならず受診をすすめます。