#606 山口仲美 「日本語の歴史」 | ダイビング&バイシクル!
ここのところ読書の方向性が小説から離れてます^^;


今回もそんな本。


日本語の歴史 (岩波新書)/山口 仲美

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いつものようにAmazonから本の内容についてコピペします。

現代の日本語はどのようにして出来上がってきたのだろうか。
やまとことばと漢字との出会い、日本語文の誕生、係り結びはなぜ消えたか、江戸言葉の登場、言文一致体を生み出すための苦闘…。
「話し言葉」と「書き言葉」のせめぎあいからとらえた日本語の歴史。
誰にでも納得のいくように、めりはりの利いた語り口で、今、説き明かされる。






岩波新書ということもあって、日本語についての雑学知識を織り交ぜながら、話し言葉で読みやすく書かれている本です。


雑学ズキなワタクシには、とっても面白く読むことができました。


もぅ「へぇ~」ボタン押しまくりです。


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実は先月までおおハマリしていたドラマ「JIN-仁-」を見ていて、日本語についての本を読んでみようと思いました。


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現代から幕末にタイムスリップした南方仁先生(大沢たかおサン)が、そんなに困らないで江戸時代の人たちとコミュニケーションをとっていることに、ちょっとだけ違和感を感じたのです。

「なんか結構ふつーに話してるな。」

みたいな。



それに旗本の娘、咲様(綾瀬はるかサン)が話す言葉の美しさに魅かれました。


それで江戸期の日本語を説明した本を探してみた次第です。


この本はAmazonで検索しまくって探しました。






では本題。


南方先生と咲様はホントにコミュニケーションがとれたのか?



結論から言うと、










「なんとかダイジョーブみたい(*^^)v」






現代語はだいたい江戸時代中期以降に確立されたようです。


門外漢のワタクシがここで詳しい説明をするとボロがでるので、文中のタイトルを並べてみたいと思います。


・話し言葉は会話文に
・「じ」「ぢ」と「ず」「づ」の発音が現在と同じに
・「アナタ」「オマエ」も江戸時代から
・「ワタシ」「ワシ」も江戸時代から
・「オメー」「キサマ」も尊敬語
・武士は自分を何と呼ぶか
・敬語表現も現在の潮流
・丁寧表現も現在に連なる


どうでしょう。

これだけ読んでも、南方先生の現代日本語はある程度通じていたことがわかると思います。


もちろん、明治期になって作られた言葉(会社、衛生学、科学、化学、心理学、可能、価値、必要、思考...etc.)や外来語なんかは江戸期のヒトにはわかりません。


ドラマでは、その都度まわりの人たちが聞き返すという演出がされていましたね。


でも日本語って造語能力がとても高い言語ですから、ちょっと変わった?カンジの南方先生が話す言葉なら、新しい言葉として認知されていたかもしれません。




あと、江戸の言葉といえば「べらんめぇ調」と言われる江戸弁が有名です。


これは町人の言葉(明治期以降は下町言葉)として使われていて、武士や医師などの知識階級ではまったく使われていなかったとのこと。


「べらんめぇ調」にエーを伸ばす(例:おまえ→オメー)のではなく、もともとの母音をきちんと発音していたようですね。


だから南方先生のように、丁寧な言葉使いで気をつけてしゃべれば、


ワタクシも咲様と会話ができる!
ドキドキ

ことはないでしょうけど(-_-;)




この武士言葉は明治以後に急速にすたれてしまったこともあって、この本でもあまり詳しくは触れられていませんでした。

ただ、幕末期になると日常生活では「ワタシ」「アナタ」を使っていたそうです。


これで旗本で咲の兄、恭太郎サン(小出恵介サン)の言葉づかいもうなづけます。





もいっこ興味があったのは花魁の野風サン(のかぜ・中谷美紀サン)があやつる遊里の言葉使い、
いわゆる「ありんす言葉」 ラブラブ!です。


本文からコピペします。

どんな田舎から来た女性でも、遊里言葉を覚えれば、方言が抜けて垢抜け、うまく接客ができる。
好都合です。



なるほどねっ!


またまた「へぇ~」ボタン押しまくりでした。


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いとしつこし^^;




ほかにもこの本には雑学ネタがイッパイ。


武士や経済的に余裕のあるイエの娘たちは、柔らかくて、優雅で上品に聞こえる言葉使いをしつけられていたそうです。


たとえば、「お」や「もじ」。


田楽に「お」をつけて、「おでん」



お~!!!!!




しゃくしに「もじ」をつけて、「おしゃもじ」



お~!!!!!




改めて日本語の本を読むと「目からうろこ」だなーと実感。



普通言語学系の本って、結構難しい本ばっかりのイメージが強いですけど、あてずっぽうで探した本にしては?良い本に当たった気がします。


でも日頃無意識化している言葉って、深いんだなぁって改めて思いました。


東京だって、江戸時代の町民が使っていた下町言葉( 江戸言葉 )、標準語の原型の山の手言葉 、そして地方からたくさんの人が東京にやってきて作られた「首都圏方言」と、この150年くらいでも大きく変化しているんですねー。


Linkを貼ったwikiを読んでいたら止まらなくなっちゃいました。


もちょっと知識を仕入れて、またこのblogでジマンしよっと。