毎日洪水のように報道される地震や津波、原発のニュース。
その中で、埋もれそうだけど痛ましい記事を見ました。
2011.4.7 朝日新聞 「津波で巣流されたが助かった ミッドウェーのアホウドリ」
東日本大震災による津波は、海鳥の繁殖地として知られる北太平洋の米領ミッドウェー環礁も襲い、多くのひなが犠牲になった。
日本国外での誕生が今年1月に初めて確認されたアホウドリのひなも流されたが、無事が確認された。
Yachoo! オンライン野鳥図鑑 コアホウドリ
朝日新聞はNHKと並んでアホウドリをフォローしてくれているメディアなので、今のところ日本国内ではこの記事だけみたいですね。
ワタクシがボランティアスタッフとして所属している海の環境NPO"OWS"では、設立初期からミッドウェイと深くかかわっています。
OWS ミッドウェイ環礁とプロジェクトについて
OWSの会長はアホウドリの研究で著名な長谷川博・東邦大教授(wiki)だったりします。
記事のコピペを続けます。
米国魚類野生生物局によると、津波は現地時間の3月10日深夜から11日早朝にかけて日本から約4千キロ離れた同環礁に到達した。
最大の波は高さ1.5メートルほど。三つの島のうちスピット島は全体が波に洗われ、イースタン島は島の6割、サンド島は2割が波をかぶった。
一方、津波とそれに先立つ暴風雨のため、巣にいたコアホウドリとクロアシアホウドリのひな、計約11万羽が死んだ。
成鳥も少なくとも2千羽が死んだ。
今季は同環礁でコアホウドリ約48万つがい、クロアシアホウドリ約3万つがいの営巣が確認されていた。
犠牲になったのはひなの22%ほどになる。
ここには21種の海鳥約300万羽が生息する。
津波の来襲時に繁殖を始めていたのは、アホウドリ類3種とシロハラミズナギドリだけだった。
住民や観光客は避難して無事だった。
...。
ひなの22%が犠牲になったとは。
朝日新聞の見出しだと「助かった」となっていますけど、記事を読んでみると大きな被害を受けていました。
津波も暴風雨も、自然の厳しさといってしまえばそれまでです。
住民に犠牲が出なかったのが救いですけど、それでも懸命に保護・繁殖に努力されてきた関係者の方々の落胆は容易に想像できます。
記事の最後にあったOWS長谷川会長のコメントに少し救われた気がしました。
アホウドリを研究する長谷川博・東邦大教授は
「津波は日本から遠く離れた島の野生生物にも大きな影響を及ぼした。海鳥は親が生きていれば来年に繁殖可能なので、早い回復を期待したい」
と話す。
この記事を書き終えた後に、アホウドリについてのニュースをググッてみたら、CNN.co.jpが20日も前に報じていました。
ミッドウェイはU.S.領とはいえ、このへんはやはり海外メディアの目のつけどころはシャープですね。
それに見出しの付け方に日米のメディアの違いを見たような気がしました。
2011.3.21 CNN.co.jp 「津波などで海鳥のひな11万羽死ぬ、60歳の母鳥も不明」