このドラマについては、今まで2回取り上げています。
2010.11.12 #404 坂の上の雲がまた始まります。
2009.11.26 #022 坂の上の雲。
何度となく読み返しているワタクシの大好きな小説である「坂の上の雲」。
なにせ3年がかりの放送ですからねー。
気が長いハナシです。
ま、でもこれだけ大きなスケールの原作ですし、総放送時間が20時間に及ぶ長編ドラマですしね、それでも映像化しようとしたNHKの意気込みを買いたいと思います。
原作は今からもう40年前に書かれました。
そのため、今回のドラマ化にあたって、原作出版後に明らかになった史実も取り入れて制作されている点が興味深かったですね。
それは、皇太子時代に来日したときに、日本人に切りつけられた(大津事件)以来、日本嫌いとして描かれることが多いロシア皇帝ニコライ二世の日本に対するスタンスが、実は全く逆であったことです。
原作ではとても好戦的に描かれていたのですが、皇帝自身の日記研究によると、彼はとても日本に好意を抱いていて、開戦直前に戦争を避けるために日本に大幅に譲歩しようとしていたことがドラマでも取り上げられています。
このことは、1980年に出版されたこの本に出ているそうです。
最後のロシア皇帝ニコライ二世の日記 (講談社学術文庫)/保田 孝一

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時間がなくてまだ読んでいないのですが、今度ちゃんと読んでみようと思っています。
ドラマでも大きく取り上げられていた、有名な広瀬武夫とロシア貴族の娘との純愛物語についても、最近新たな研究が報道されました。
日露戦争の英雄、広瀬武夫中佐の恋人、アリアズナの父親として知られるロシア海軍水路部長のコワレフスキー少将が実在しないことが、日露の研究家の調査でわかった。
本当の父親はロシア海軍省海事技術委員会のコワリスキー大佐。機雷敷設の専門家で、広瀬が軍事知識を狙って近づいた可能性が高いという。
ロシア海軍省の不手際が明るみに出ることを嫌った旧ソ連政府が、偽情報を流したために虚説が流布した、と研究家は推論している。
広瀬サンは駐在武官としてロシア大使館にいました。
その大きな任務は基本的にスパイです。
日本としても、日露戦争の英雄がスパイでは具合が悪かったのかもしれません。
ロシア革命で処刑されたニコライ二世も現在ではロシア政府によって名誉回復されています。
このへんも歴史のおもしろいところですね。