ちなみに第1回はコチラ。

甲子園は親会社の阪神電鉄が、大阪ドームはバファローズのグループ会社であるオリックス不動産(の子会社の)株式会社大阪シティドームが所有しています。
メジャーでもこのように自前で球場を所有しているのは少なくて、30球団中8つしかありません。
MLB球場 使用形態の詳細
なにしろヤンキースタジアムですらニューヨーク市の所有です。
やはり自前で球場まで持つのはコストがかかりすぎるということなのでしょう。
大阪ドームは民事再生法適用会社だったものをオリックスが買収したものですね。
記事では、まずここ数年進められてきた甲子園の大改修について触れられています。
特に今回新設されたライナービジョンとロイヤルスイートという個室のことを球団が強調していました。


以下記事のコピペ。
観客に訴える上では「プレー以外も大事」と球団社長。
「参考になる都会型の球場」としてヤンキースやメッツ、ブレーブスの球場を頻繁に視察、行く先々では関係者から決まってこう言われる。
「これからは球場で稼ぐ時代だ」
って、いかにも先進的な経営をしているようですが、わざわざ海外まで見に行かなくたって、東京ドームにはできたときから個室スイートはありますし、ライナービジョンだって、すでに千葉や仙台には数年前から取り付けられています。
それに海外視察だって、オリックスは10年以上前に実施して、その結果として内野の総天然芝化や今流行りのボールパークコンセプトを最初に取り入れています。
ま、阪神みたいな小さな企業体では、こういった1周遅れの経営は仕方がないことかもしれません。
ほっといてもお客が入ってくる甲子園と比べて、大阪ドームはタイヘンです。
集客数こそ年間300万人と同じくらいですけど、そのうち野球で集められるのは1/3。残りはドームツアーや就職説明会などのイベントです。
あげくに、ファウルポール近くの2階席に大きな広告を掲示してみたり。

お客さんが少ないことを逆手に取った新しい広告手法です。
この分他のスペースにお客さんが密集して座りますから、全体の一体感も出せるメリットがあります。
こういったことはメジャーでも行われています。
今度松井が入団したサンフランシスコのアスレチックスも、フットボールとの共用球場で観客席が多すぎるため、2F席は全面クローズにしているほどです。
でも広告まで出すということは聞いたことがありませんので、この広告はバファローズ営業部門のヒットと言えます。
いずれにしても、球場を自前で所有できることは、こういったリニューアルや広告などの運用を自由に行えることが最大のメリットです。
もちろん収益の点でも、使用料を外部に支払わなくてもよいので利益率もアップすることにつながります。
甲子園の場合で、球団が支払う使用料は確かタダ。球場全体の維持費が年間10億円程度ですから、ホークスが支払っている使用料年間50億円やベイスターズが支払っている年間25億円に比べれば有利なのははっきりしていますね。
もちろん、シーズンシートや看板広告の営業も自前で行う必要があります。
オリックスグループなどは、秋口から春にかけての営業活動はグループの全営業マンがそれぞれ目標を持たされているくらいです。
東京で大阪や神戸のシーズンシートや看板広告のセールスをするのはキツイキツイ。
でもなんとか球団を維持していくために、グループとしても必死なのです。
ベイスターズなど、売却しなければならない球団は、そこまでの努力をしているのか、と問いたくなります。