ジャイアンツ戦のTV放映権料の下落がその要因のひとつだということもお話ししたとおりです。
その中で、今まで以上に球団経営の安定化には球場との一体化が必要だという認識が球界に広まってきました。
ま、メジャーじゃもうずーっと前からそうだったのですけど

ジャイアンツ戦というキラーコンテンツがなくなってしまった今になって球場が注目されているというところが、特にセントラル・リーグの球団経営のおまぬけな点ですけど。
そんなときに、日経新聞が先週、「球場考」というタイトルで4回にわたって特集記事を組んでいました。
球場との一体化が球団経営に必要だという趣旨で書かれた連載記事です。
記事ではこのように書かれています。
入場料収入だけじゃなくて、飲食・物販・看板広告など球場で産み出される収入が、球団経営で一層重要になっている。
ここで紹介されているケースを、今日からひとつづつご紹介していきたいと思います。

記事の中に表がありました。
球場別に球団がどのような形態で球場を使用しているかをまとめた表です。

記事が注目しているのは、球場と球団との契約内容です。
「賃貸」:年間いくらで球場を借りていること
「管理許可」「指定管理者」:球団が球場全体の運営に責任を持っていること
「グループ運営」:球団のグループ会社が球場自体を所有していること
グループ絵運営であれば、もう球団がやりたいことができます。これが自由度という点では理想形かなと。
管理許可や指定管理者でも、実体は球団が企画したことを自由に実現できるという点で、球場というハコモノを持たないで済むこともあって、まぁリーズナブル。
ちなみにメジャーの球場はほとんどがこのパターン。
賃貸。
これが問題です。
球団はただ球場をお借りするだけ。
賃料をお支払いするだけ。
人工芝が古くて選手に負担が大きくなってきても、自分だけの判断では張り替えることもできません。
なにせ店子だし。
第1回は、ファイターズの札幌と、ベイスターズの横浜スタジアム、そしてホークスの福岡yahooドームについて取り上げています。
この3チームに共通している点は、いずれも球場を賃貸していて、その運営の主導権を球場に握られていることです。
札幌ドームはコンサドーレとの共用ということもあって、ファイターズは店子という位置づけです。
球場の店子とはどういうことかというと、球団はただグラウンドを使用するだけで、売店収入などのおまけは入ってきません。
記事では、そういった状態にイライラした球団が球場の外で移動販売車を出して、オリジナルアイスクリームを売っていることが冒頭で取り上げられています。
このアイスクリーム、相当な人気で、平均待ち時間が30分、今年だけで4万個を売り上げたという人気商品です。
でも球場の中では売ることができません。
なぜか。
札幌ドームは税金で建てた公共建築物だから、出店は公募でないといけないということだそーです。
んなバカな(>_<)
球場に莫大な使用料をもたらしてくれるお得意様に便宜を図らないなんて。
このへんが役人のセコいところなのでしょう。
一事が万事です。
横浜スタジアムも札幌ドーム同様市が建設して第三セクターが経営しています。
球団売却のときに指摘したとおり、その使用契約期間で球団ともめています。
球場は今まで通り10年、球団は1年ごとで平行線だそうです。
年内で契約が切れちゃうのに。
球団としては、球場が売却のネックだったことに気がついています。
でも球場は人工芝張り替えなどの設備投資をしても球団がいなくなったら回収ができないといってゆずりません。
古くて狭いくせに使用料だけ高い横浜スタジアム。
球団は赤字で売却を検討しているのに、球場は毎年黒字で、しかも改修資金として内部に100億円も貯めこんでいます。
おかしくなくない?
賃貸契約だと、どうも問題が多いようです。
ジャイアンツだって、自前のスタジアムを持ちたくて(=球場使用料が高すぎるから)、実際に検討したことがあるそうですから。
今のところ東京ドームほどのベンリさが勝って、仕方ないのでこのまま東京ドームを使用し続けるみたいですけど。
球団がなければ球場は立ち行かなくなります。
それはオコチャマでもおわかりのこと。
ならば、球団に逃げられないように便宜を図るべきというのが、球場としての自然な経営判断なのですが、自治体が運営に関与している場合はこのようにうまくいかないケースが目立ちます。
もちろん自治体と球団が良好な関係になっているケースもあります。
これはまた別の機会に。