自己嫌悪どっぷり浸かりながら退勤し、
スーツを調達しに近所のイオンを訪れた時、
『これから寄っていい?』
と、彼さんからLINE。

しばらくして、
両手に荷物を持ってやってきました。

まずは恒例のホワイトデーのお菓子ね、と、
去年もくれた和菓子屋のあられ煎餅。
今年はおせんべいの他に生サブレも入ってました。

それだけじゃ芸がないから、と。
もう一つはセブンイレブンの袋。
中身は私が大好きなブリトーが3種類入ってました。
最後の晩餐はブリトーがいいくらい大好きなのを覚えていてくれてました。

今日はいつもより早めに帰らないと、
と言いつつ2時間ほど布団に潜りながら色々話をしました。

子供の時に見たアニメ
中高生の時にカラオケで歌ってた曲
嘉門達夫の替え歌メドレー
昔のゲームソフトの話題
etc

その途中、
おむつ交換の話になりました。
(赤ちゃんのおむつを実況しながら楽しく変えるイクメンパパの話の流れ)

そんな時、
『じゃあ俺もそうして日向夏さんのおむつを交換すれば良いのね』とサラッと言われました。

『俺と日向夏さんだったら、可能性として日向夏さんの方が先に介護が必要になるでしょ』

と、真面目な表情で話し出しました。


予期せぬ言葉に驚きましたが、
彼さんの中では私の介護のことも考えていたようです。

私の中では、本当に介護を受けないと生活が送れない状態になったら、その時は彼さんとの別れを考えていました。

彼さんに介護される想像をしたことなかったのです。


でも話の流れとは言え、
彼さんはそんな想像をして受け入れてくれているのです。

「じゃあ、介護技術会得しておかないとね」

と半分冗談で言うと、
「うん」
と相変わらずの優しい声と、
抱きしめてくれている腕に力が込められました。

23:00のアラームと共に、
彼さんは帰ってしまったけど、
近い将来ずっと一緒にいることができる関係になれるかもしれないと言う気持ちが芽生えた2回目の幸せなホワイトデーでした。