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『乳がん』治療まとめ

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8月23日(月)ほぼ1ヶ月ぶりの大学病院。

 

この日の予約は15:00。

でも、呼ばれたのは15:50ごろだった。

 

Y「ご無沙汰しています…。」

 

と言いながら診察室に入ると、おや?先生…なんだかちぃちゃくなった?

なんていうか、こざっぱりした? いや…疲れてる?

 

T先生、目頭を押さえながら、こっちを見ずに

「お待たせしました…。」

 

Y「先生、疲れてる? 私が最後だよね。」

 

T「そう。だからちょっと気が楽…。だいぶ待たせちゃって、疲れた?」

 

Y「違う違う。先生が、疲れた?」

 

T「うん…。今日はすごく忙しかったから…。ほら、コーヒーも手をつけないで置きっぱなし…。」

 

Y「あら。飲んで。私は構わないから。」

 

T「いや、いいや。さあ、どう?調子は?」

 

Y「うん。悪くない。手も上がるよ!ね。 あ、見る?」

 

T「そうだね。診ておこうか。」

 

 

そうはいったものの、本当はどうでも良かった。

だって、腕は上がるし、ちょっと浮腫むことあるけど大したことないし…。

ソレより【臨床試験】でしょう?

 

そうは思いながらも、T先生の疲れた感じと、なかなか『前のめり』に、そういう大事な結果を話さないでもったいぶる(失礼)のはいつものパターンだから…。

T先生は意図してやっているわけじゃないのかもしれないけど。

 

 

 

診察台に腰掛けて『遠山の金さん』を頭の中で演じながら右腕だけをはだける。

今日は前開きのブラをつけてない。今日の格好は…。

この『盛夏の装い』

だから下着はエアリズム。それを右腕だけ抜く。

 

もうたぶんこれで今年の夏は終わった…と思ったから。この格好は最後かな。

 

 

 

腰掛けたまま、先生にバンザイして見せる。

先生も座ったままバンザイしている脇の下を触ってみて……

T「だいぶ柔らかいね。ここも…。どれ、横になって…」

 

横になりながら、また首のところを

 

T「あれ?ココ、赤いねぇ…。」

 

Y「え?また?先生、いつもそういうけど…。」

 

T「日光過敏症かなぁ。MCTDのせい?」

 

Y「いや。私もいつもいうけど(笑)MCTDじゃないって。」

 

T「脇もずいぶん柔らかくなったね。」

 

Y「そうでしょ?もう、全然問題なく上がるよ!ほら。」

 

T「痛くない?動きにくいとか。」

 

Y「ここは痛くないんだけど、ココ(えぐれてるところ)が痛い。」

 

T「ここ(抜管跡)じゃなくて?」

 

Y「違う。ココ。(手で触る)」

 

T 「ココ(背中側の脇の下)じゃなくて?」

 

Y 「ちがーう。そこは腫れてるけど。ここ!この皮の下がすぐ骨のところ、痛いのは。」

 

T「突っ張ってるよね。…ハイ、いいよー。」

 

Y「……(どした?)」

 

なんだか養成所出たての新人漫才コンビの掛け合いみたいで、拍子抜け。

 

 

 

診察台に腰掛けたまま身支度を整えていると、いつもならパソコンでカルテを見ているか?または打ち込んでいるかするのに、また目頭を押さえてる。

 

そのままの格好で、

 

T「そういえば。息子さん、試験受かったんだっけ?」

 

Y(?私の顔には『首胸が赤い』と『息子の試験』と書いてある?)

「いや。まだ。たぶん9月じゃないかなぁ…。大学の前期の試験の結果って後期が始まる直前とかじゃなかった?」

 

T「そうなのかな?ボクは採点はするけど、いつ結果を出しているか、知らないなぁ。」

 

Y「早く出てほしいんだけどね。……。」

 

 

身支度終えて、先生の前の椅子に移動して、居住まいを正す。

 

それでも、まだ先生は目頭を指で押さえてクリクリとマッサージしていた。

 

たぶん私がT先生を『診た』中で1番疲れている。

どうしたんだろう…。

コロナのせいで大変なのかな?

家族(子どもたち)になにかあったのかな?

患者さんになにか悪いことでも…。

 

もう、こうなると私の中の『親心』? 『母性』?

おっぱい片方ないけど、そんなモノがジワンと出てき始めてるのを感じた。

 

Y「先生、コロナ大変?手術、出来てる?」

 

T「大変だね。手術はできてるけど、制限かかってる。」

 

Y「そうなんだ…。それは大変だね。

子供たちも、学校予定通り始められないかもね?大変じゃない?」

 

T「大変だね。」

 

それだけかーい!

 

 

 

 

 

T「…。カルボプラチンの試験の話をこれからするんだけど…。」

 

Y「(それきた!)今日はね、ソレを聞きにきた。」

 

私の言葉を聞いて、T先生の肩がふっと下がった。

ため息?

口の形はマスクで見えないけど、ふっ と息を吐いたように見えた。

本当に疲れているのか、それとも話をするのが嫌なことなのか…。

 

 

 

唐突に。

 

T「Yさんの病理の結果は『CR』の次に効果が出ている2b。」

 

 

 

ちょちょちょっと、待って。

なんでその話?

 

先生、疲れてどうかした??

 

私の頭はアドレナリン出まくりで、ギンギンに冴えている。

 

先生の一語一句に頭の中でツッコミを入れまくっていた。

 

この出だしの一言には、頭の中ではなくて危うく口に出るところだった。

 

けど。飲み込んで…黙って続きを聞いた。

 

 

 

 

(もったいつけてすみません。思い出しながら書いているので体力消耗…)

次回に続く。