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7月12日(月)予約時間は14時
うちの家族ではとにかく娘が一番冷静でこのところかなり頼りにしている。
高校生までは人の目を見て話すことができず、自信がないただの引っ込み思案の根暗な子だったのに。
あることがきっかけで変わった。親の私でも信じられないぐらいに。
まあ、それについては本人の了承を得てから(得られないと思うけど)語れる時が来たらお話しするとして。
彼女は運動神経以外はかなり「できる」人間だ。
私はがんになって、かなりのポンコツ具合を露呈しているが昔(若い頃)は娘と同じようにかなり良くできた方だった。
そして私の場合は運動神経もあったので娘以上に「できる」人間だった。(と、自負しているがさて、どうでしょう?)
でも、月日は残酷だ。私は歳をとった。
娘だけでなく息子たちにも、『してやれる事』よりも『助けてもらう事』ばかりになってきた。
老いては子に従え
このことを何度も繰り返し呟いている。
たぶん私の主治医T先生は娘が「できる」ことを見抜いた。
そして暴走しがちな私と、ともすれば一緒に並走してしまうことがある次男の傍らで先生の話をちゃんと聞いてくれると思ったのだろう。
7月12日(月)14時は先生の
「娘さんも聞きたいだろうから…」で決まった検査結果説明の日だ。
珍しく娘は外勤(娘はIT系の仕事を基本リモートワークしている)でとても遠くに行っていた。
それを途中で抜けて自宅近くの駅まで来て、14時に間に合うように駅で拾って大学病院へ向かった。
私と娘は次男の運転する車の中で遅い昼食の『テキサスバーガー』と『BIG Mac』を食べながら。ギリギリで13:55に大学病院に到着。
珍しいこともあるもので。
受付機を通して乳腺外科に向かい順番待ちの掲示板を見ると、T先生の掲示にすぐに私の番号が記された。
次の次だ。
こんなに静かな乳腺外科外来は見たことがない。というぐらい人がまばらだった。
14時を過ぎて10分ほど経った頃、私の前に診察している患者が出てきた。
すぐに呼ばれた。
まずは診察なので、1人で入っていった。
T「あれ?ひとり?娘さんたちは?」
Y「先生…。診察が先でしょ?」
T「あー!そうだった…。さすがだねぇ。」
?なにがさすがだろう?ずいぶんテンション高いな、先生。
Y「見てもらわないとね、診るよね?」
T「見る診る!」
Y「先生、この間脇のしこりみたいの診てくれたでしょ?あそこがすごく固いゴリゴリになってて、痛いの。」
そこへ乳がん専門看護師改め「乳がん看護認定看護師」のAさん登場!
T「ねぇ、えーっとエコー持ってきて!」と次に入ってきた「魔法の手を持つ」I看護師に話しかける。
T「しこりになってる?固いの?」
私、服を脱ぎながら横になりながら、
A看護師に「こんにちは先日はありがとうございました。」と挨拶。
「痛いのよ。ゴリゴリが。だから手が上がらないの。肩は回してるのよ!だいぶ回るようになったし…。」はA看護師とT先生両方に。
診察台に横になった私の足元にA看護師が腰掛けてT先生のサポートをする。
I看護師が持ってきたエコーの機械を起動させ、A看護師が読み上げた私のID番号をT先生が打ち込みデータを転送。
まっすぐバンザイできない右腕をなるべく上げてエコーのためのゼリー(あれはなんていうのか?)を塗ってパットを押し付ける。
脇の下は冷たさも感じない。押されているのはわかるけど、痛みはさほどない。
寝ている私からはエコーのモニターが上3分の1ぐらいしか見えない。
A看護師とT先生はモニターを見ながら「ナントカカントカかな?」とか「ドータラコータラでしょうかね?」と言っている。
Y「なにがどうなってるの?」
T「うーん。先週と違うんだよね…。全然。うーん…コレはCTを撮ろう。はいいいよ、起きて。」
Y「え?CT?なに?怖いもの??」
A「今までとちょっと違うからね。見た方がいいかな。」
T「うん。今日、今から造影剤で。今から連絡してすぐに撮ってもらってそれからだね。」
Y「え?造影剤?先生、お昼食べちゃったよ。」
T「?大丈夫でしょ?造影剤って〇〇だよ?」(〇〇は専門用語)
I「先生。だめでしょ。CTは3時間空けないと…。えーっと何時ごろ食べたの?」
Y「さっき。1時半ごろかな。」
T「もしもし…乳腺のTです。コレからCTお願いします。患者さんはYさん…。」
あれ。容赦なしだ。I看護師に「食事がダメなのは造影剤のせいで戻すかもしれないから?」と聞いた。
I「そうね。それだけじゃないけど。でも、それが大きいかな。」
Y「大丈夫。吐かない(笑)から。もう、オーダーしてるでしょ?」
I「聞いてみるから、ちょっと待っててください。」
私は診察室のすぐ外で待っている娘と次男の前の扉を開けた。
Y「予定が変わった。今からCT撮りに行くことになったから。時間かかると思う。」
子供たち「は?なんで、どうしたの?」カクカクシカジカ…。
I「大丈夫ですって。外来で点滴を入れてからCT検査だから。あと、T先生が今書類作ってるから待ってて。」
すぐにT先生が造影剤CTの同意書と問診票を持ってやってきて、
「じゃあ、これね。書いて持っていって。ここで点滴していくから用意できたら呼ぶね。」
Y「先生。どのぐらいかかる?子供たちここにいても仕方ないからどこか他の場所で待ってるって。30分ぐらい?」
T「いや。1時間以上かかるな、今から。」
Y「だってさ。終わったらLINEするからコーヒーショップで待っててよ。」
次男は翌日大学のテストがあって、時間が惜しい。そのテストにパスしないと卒業できない…。もう2回落としていて、今回がラストチャンス!だ。
子供たちがそこからいなくなって、私は書類に記入をしてサインをしていた。
「Yさーん!」呼ばれた。
名札が見えた。O看護師。
処置室に通される。
診察室でT先生がジーラスタをしてくれないとき、ここの処置室で看護師さんに注射をしてもらった。
点滴。手術以来だ。
O看護師すごく慎重に点滴のできる血管を探してる。
探しながら抗がん剤の副作用のこととか、手術後の体調とかを聞いてきた。
見つけた血管をさすりながら「じゃあ、ここにしますね。ちくっとしますよ。」
途中までは良かったけど最後の一押しで…
「痛いかも…」
「あー、そうですね、痛いですね、ごめんなさい…。あー血をサラサラになる薬、飲んでますか?」
「いえ。血、サラサラですか?」
「思ったより広がっちゃってるから。ごめんなさい、1週間ぐらい青くなっちゃうかも」
「いや、ぜんぜん、気にしないでください」
それからしばらくその血管を圧迫していて、絆創膏をはった。
「やっぱり、ここにしますね。肘が曲げられないけど。」
いつも血液検査をする肘の内側の血管。間違いない。ここは大丈夫だろう。確かに肘が曲げられないけど。
すんなり入った。ついている点滴のバッグは500ml。
いつもCTやMRIの造影剤をやるときにやる点滴はもっと小さい。
「ずいぶん大きい点滴ですね。コレ全部入れます?」
「全部は入れないと思うけど、途中で切れたらまずいから大きいのにしてください!って検査の方から言われているんです。」
そうなんだ…。
T先生が様子を見に来た。I看護師も一緒だ。
I「お子さんたちいたと思ったんだけど、どこかに行った?」
Y「あそこで待つのもなんだからコーヒーでも飲んできて!って言ったんだけど。」
T「そうなの?悪いね、待たせちゃって。」
Y「息子が明日大学のテストで。それを落とすと卒業できないから、今日も勉強道具持ってきてるの。必死よ!」
T「あー、そうか。申し訳ないねぇ。」
Y「大丈夫。私が戻ったら、電話で呼びます。」
T先生とI看護師は「大変だねぇ、申し訳ないなぁ…Kボーイなんだよ……」「あらぁ、優秀ねぇ…」と2人で話しながら診察室の方へ消えていった。
点滴の下がった棒をガラガラと押しながらCT検査室へ向かう。
エスカレーターには乗れないのでエレベーターで。
CT検査の受付で同意書と問診票を出して、待つ。
受付の女性が「お昼ご飯は何時に?なにを食べましたか?」
Y「あー、はい。1時半ごろ、ハンバーガーを…。」
「あー、ハンバーガー…。わかりました。」
だって、CT撮るなんてそれも造影剤入れるなんて…!
たぶんここで30分は待った。
ようやく呼ばれてCTの中へ。
金属がついた洋服はないので、そのまま撮る。
途中で造影剤が入る。体が熱くなって、失禁したか?と思うヤツだ。
もう、何回目だ?
撮影はほんの5分。
終わって休みもせずに外来へ戻った。
乳腺外科の今日の診察は終わっているみたい。
時刻は15:50。子供たちをLINEで呼び、私は点滴を取ってトイレに行きたかった。
500mlの点滴の3分の2は体に入っている。
I看護師と処置室に戻って点滴を外してもらう。
I「時間かかっちゃったわねぇ。だいぶ待たされた?」
Y「はい。お腹タプタプで。トイレに行きたい。」
I「あー。そうよね。だいぶ入ったから…。たぶん点滴はとっていいってT先生言ってたんだけど…。どこへいっちゃったかしら。あら?あの足音…。」
Y「T先生、きたんじゃない?」
T先生、登場!
I「T先生の足音分かっちゃったわね。T先生!YさんT先生の足音分かったのよ!」
T「お子さん達、呼んだ?CTの結果見たらすぐに始められるよ。」
I「聞こえなかったみたい。先生!Yさん点滴外しますよ。」
I看護師が点滴を外してくれて、すぐにトイレに行った。
そして診察室の前に戻ると子供達もスタンバイしていた。
診察室のドアが開きT先生が、
「どうぞ、あ、またちょっとお母さんだけね。」と子供達に言って私だけ診察室へ。
A看護師もスタンバイ。
T「はい、もう一度見せて。」
もう一度診察台に服を脱いで横になった。
A看護師は私の足元に腰掛けて、T先生の助手をした。
いつもの「水抜きセット」を出した。
Y「あれ?引けるの?なんだったの?これ。」
T「いや、たぶん引けない。血管、静脈だと思うけど。けどちょっとやってみる。後でこれについても説明するけど…。」
そういうとぶっとい針が見えた。
エコーを使って、脇の下の硬いところをぐりぐりしている。
T「うーん。痛い?」
Y「いや。痛くない。そこは、痛そうだな…。」
ちゃんと感じるところもある。そこのポイントは絶対!痛い。
T「そうね。ここは痛いね。ここは?」
Y「痛くないけど…、刺すの?それ。」
A「怖いわよねー。こんなの見えちゃうと。」
T「あーごめん。怖いよなぁ。」
Y「痛くないから、大丈夫。だけどね、何か当たってるのが、地味に痛いよ。」
A「針を刺している先生の手が、お腹にあたってるのが痛いんだね。」
Y「あーそんな感じ。」
T「ボクも失敗したくなくて緊張してるから力が入っちゃうんだよ。」
A「ですって。(笑)もう終わるからね。ちょっとは引けた?」
T「はい。おしまい。いや、ちょっとも引けない。ここちょっと圧迫…、そう。」
Y「先生、そういえば。先週ガーゼ止めるのに弱いテープってつけてくれたやつ。こいつがなかなかの粘着力で剥がすときに皮膚を道連れにしたから、ココ、水膨れになって痒くなった。」
T「あ。かぶれるようになっちゃったか…。じゃあ、今日はつけないでおこう。しばらくこうやって挟んでて。」
A「大丈夫よ。今だけちょっと圧迫しておいて。血が止まるまで。」
起きて、A看護師に手伝ってもらって服を着た。
I看護師が後片付けをして、T先生は診察室のドアを開けて子供達を呼んだ。
Y「先生、今日はもう診察は終わったの?」
T「今日はもうこれでおしまい。ゆっくり時間が取れるよ。」
T先生が机の前に座り、A看護師は診察台に腰掛け、I看護師は立って。
私たちが席に着いて、ようやく【病理検査結果】の説明が始まった。
16時を過ぎていた。