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コレを書いているのはどんな姐
『乳がん』診断までのまとめ
『膠原病』について
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9:30からの診察で、掲示板にはT先生の名前もなく。
9:30になった途端になんの前触れもなく私の番号がT先生の名前で掲示板に点灯。
あ、これはもしや今日の診察は私だけのパターン?
指定された部屋の入口に一瞬だけ私の番号が出たもののすぐに消えて、先生の名前も他の先生の名前になってしまった。
あれ?困った。中に入って違う先生だったらどうしよう…とちょっとだけ思ったけど、ノックして入る。
…よかった。T先生だった。
Y 先生。入口の先生の名前、S先生になってるよ!
T え?ホントに?おかしいなぁ…。(と、電子カルテの画面のどこかを見ている…)
Y いい、いい。どうせ今日の診察、私だけでしょ?
T あれ?よくわかったね。そうなんだよ。ひとりだけなんだ。
Y そうだと思った。おととい私が確認したから、わざわざ来てくれたんじゃない?
T ま、そうね…。手は?
Y ほい。こんな感じ。赤いけどかゆくないよ。
T ステロイド塗ってる?
Y ステロイドも塗ってるし、日焼け止めも塗ってるし、薬も飲んでる。今日午後から皮膚科にも見てもらうよ。
T 他は?変わったことは?
Y 今はこの辺(腰の辺り)が鈍痛かな…。
T え?それはいつもそうだった?
Y そうね。ジーラスタ打ってひどくなるっていう感じかな?前触れ?
T そうか…(カルテの色んな所を開いて見てる)
Y あれ?私ひとりってことはジーラスタは?
T ボクが打つよ。あっちで。(裏の処置室)
Y あー、良かった。この間、ちょっと痛かったんだー。
T え?そうだったの?
でも、その前に…。気が早いかも、いや早くはないな、コレからの予定を決めたいんけど。
Y へ?もしかして手術の予定?出来るの?もう?
コロナで延びたりとか、しない?
T しないよ。術前化学療法やっている患者さんは優先で手術するからね。
えーっと…5月10日が最後だから…
Y ねぇ、手術って、先生が執刀してくれるの?
T そうだよ。ボクがやる。
Y 5月31日と6月1日に検査がいっぱい入ってるよね。ソレってもしかして術前検査だよね?
T そうそう…。6月10日。いい?
Y いいよぉー。なんの問題もない。意外と早かったね。
その前に説明とか、あるよね?手術の。
T ある。それも、予約入れちゃおうね。7日。いいかな?
Y 誰か来てもらったほうがいいよね?
T そうね。大事な話だからね。娘さんかな?それとも息子さん?
Y うーん。どうだろう。でも、誰かには来てもらう。手術の立ち会いは?必要だよね?
T そう。コロナだから原則はひとり。手術中に何かあったときに本人の代わりに判断できる人ね。どうしてもいない場合はいいんだけど。身寄りのない人もいるしね。
Y いや。誰かには、いてもらう。手術の時間はどれぐらい?手術室の前で待つの?ドラマみたいに。
T いや。部屋があるから。手術は…3時間ちょっとかな。
Y えーっと、そもそもなんだけど。検査するでしょ?5月の末に。それで、全部消えていたとしても手術はするの?
T するよ。がんが消えたかどうかは顕微鏡で見てみないと分からないから。
Y ってことは、小さくなっていてもなくなっていたとしても手術で組織を採って検査しないと分からないってことね?
T そう。採った組織にがんが残っていなかったら、抗がん剤の効果があったってことで再発転移の確率は低くなる。もし、残っていたとしたら…今、『治験』をやってるからそれに参加するかどうかの説明も、術前の説明の時にするね。
Y 前に手術のこと聞いた時にもチラッと言ったけど『全摘』でいいのかな?『全摘』と『温存』のメリットデメリットは?
T 温存の場合は放射線をやらなきゃいけない。
Y じゃあ、温存はダメってことね。私、間質性肺炎あるから。放射線できないって言ってたでしょ?
T そうね。全摘かな。全摘ならMRIはやらなくてもいいんだけど…
Y え?そうなの?でも、やってもいいんでしょ?始めのヤツと比較できるんじゃない?
それと、脇のリンパも全部取るの?腕が上がらなくなったりしない?
T リンパはどっちみち全部取る。温存とか関係なく。
Y じゃあ、放射線できないなら全摘が再発のリスクは低いってことね。それしかないってことね。
T そうね。
Y 入院はいつから?
T 9日から。
Y 入院して翌日に手術で、退院は?
T うーん。13日かな?延びるかも。経過次第。
Y これからの状況で変更になることはない?コロナかひどくなったりとか。
T コロナにかかっちゃったらダメだよ。その場合はもちろんダメだけど、もしボクがかかったとしても他の人にやってもらうし、それ以外の変更はない。
Y あとひと月。もちろん気をつける。先生はワクチン済んだ?
T うん。終わった。でも、気をつけることは同じだよ。休みでもどこへも行けないしね。
Y そうね。病院はゴールデンウィークはお休み?
T 休みだけど誰かしらいるから。ボクも何日か出勤してるし。
Y じゃあ、あと1回!終わったら手術ね。
T はい。他に何か聞きたいことは?
Y うーん。今はないかな…。抗がん剤終わって検査結果が出て、手術の説明してくれるときに詳しく聴けるでしょ?
T そうね。じゃあ、注射しようか?
ちょっと外で待ってて。用意してくるから。
手術決まった。
なんだかドキドキする。
このドキドキは『吊り橋効果』なのか?
話の後半、T先生にドキドキしてきちゃった…。
やぁだ…まったく。
診察室を出て待っていると、処置室の方からT先生が手招き。
看護師が忙しそうに動いている処置室に背が高くてヒョロっとしたT先生がヒョコヒョコと動いているのがなんだか場違いな感じがした。
T先生意外と背が高い。180cmは超えてるな。そして細い。
たぶん処置室は看護師たちのテリトリーなんだろうな。先生が小さめに動いている気がした。
T先生はジーラスタと注射セットを持って私が通された診察台にそそそ…と入ってきた。
注射の準備をしながら先生が、「だいぶ温かくなってきたよね。」といった。
ジーラスタの注射はキンキンに冷えていてそれを温めながら。
私は「暖かくなって来たけどまだレイノーは出るのよ!今朝もね、出たし。」
先生「そうなの?MCTDは研修の時にちょっと診たぐらいだから継続的に診るの始めてだからなぁ。」
「でも、慣れちゃって、なんてことないよ。」
「誰か家族に膠原病の人、いるの?」
「ううん。たぶんいない。遺伝しないって言われたしね。だからわかったとき青天の霹靂!だったよ。は?ナニそれ?って。」
「そうだったんだ…。はい。注射するよ…チクッとするよ。」
私の腕の肉をつまんで針を刺し、ゆっくり注入…。
「でもね。膠原病の先生が、私のMCTDは10年ぐらいこのままの状態だよって。」
「え? I 先生が?」
「そう。I 先生がね、たぶんそんなに症状が変わらないで10年ぐらいこのままだろう…って。だから治ったら(乳がんが)ハワイにでも移住したらイイよって。」
「ハワイかぁ。いいけど高いよね。移住、お金かかるよねー。はい、おしまい。痛かった?」
「ぜんぜん!さすがだわ、先生。」
そこへあまり見慣れない看護師さんがこれからの予定の一覧表を持ってやって来た。
コレから手術の前の説明の日までの予約が入っている表。
手術が決まった。
なんとも言えない気持ちで『STAFF ONLY』の扉から出てきた。