この記事でのやり取り。

"間質性肺炎はどうしてなるの?なったらどうなるの?"
 
今日はちょうど、娘がいる。
たぶん娘は一番冷静で、話にバイアスもかけない。法学部卒業も伊達じゃない。
 
家を出たのは8:40。
9時までに着きたかったけど、色々片付けていて遅くなった。
 
愛犬もお留守番の為にハードタイプの砂肝を入れたコングをあげて、そのスキにでた。
 
運転は息子。
だいぶ安定してきた。慣れてきたから逆に心配なところもあるが、親はいつでも心配だ。
 
9:10ごろ 大学病院到着。正面玄関に横付けしてもらい、私と娘だけ降りて、先に受付番号を取る。息子は駐車場へ車を置きに。
 
まだ、T先生の名前は掲示板に出ていない。 娘とあいている席を探し、私は血圧を測る。
血圧を測って、振り返るとちょうど私の番号が呼ばれた。
娘のところに戻って「呼ばれた!診察室に直接来るように(息子に)LINEして。」
娘診察室に向いながらスマホ操作(歩きスマホ注意!)
 
ノックをして、診察室に入る。
T先生。今日は振り出しに戻って青い洗いざらしのスワブだ。その下は黒のTシャツ。
 
Y 今日は、確認したいことがあって、娘と、後で息子がきます。
T お?わからないこと、質問があるのね?
Y はい。私の間質性肺炎は免疫が下がって、ウイルスとかのせいでなるものじゃないんですね? 抗がん剤の薬のせいで間質性肺炎が起こる場合があるってことなんですか?
ちょうど、昨日ちょっとだけ息が苦しくなったときがあったんです。
T 昨日?(というと、席を立ち「○○さーん、いないなぁ、ここ誰もいないの?」と言いながら一瞬きえた)
 
娘が私に「ママが話をすると高いところから(?)話すから、話がまどろっこしい。」
Y じゃあ、代わりに言ってよ。
娘 だって本人じゃなきゃわからないじゃない…。
 
戻ってくると聴診器をもってた。
 
そこで、タイミングよく息子登場。
Y 私と息子でいったいどっち? ウイルス?それとも抗がん剤? って。 私は記憶があいまいだし、唯一、娘が先生の言葉をちゃんと聞いていたので、今回も娘に来てもらいました。
ちゃんと聞き逃さないように。
ひとしきりそんな話をして…。
 
T 昨日、何時ごろ?
Y 何時ごろ?(息子を振り返り)何時ごろだったっけ。3時ごろ? 散歩からうちに戻ってきて、階段のところで、ちょっと息が苦しくなって…。深呼吸した感じ。
 
T 聴診しますね。(と言って、聴診器を私の左胸から)ハイ深呼吸してください。
(ゆっくり、場所をずらしながら…)ハイ、今度は背中です。
娘 あと昨日寝るとき横になったら苦しいって言ってなかった?
Y そう、仰向けになったら圧迫された感じに…。
 
廊下から看護師さん登場!何やら小さいものを机に置く。
あ。パルスオキシメーターだ!
私が買ったほうがいいのではないか?と言っていたヤツ。
 
Y (息子に)ほら、これだよ。パルスオキシメーター。(T先生に)あったほうがいいですか?
 
T コロナでね。流行ってるよね。でも、いりませんよ。
と、言いながら、私の右人差し指につける。 反応なし。 他の指、ダメ。
 
あ、できたと思ったら、死んでいてもおかしくない数字。
T 電池切れかな?あれ?マニキュアつけてる?
 
Y はい。爪が弱いので補強で。とってくればよかったですね。
T いや…。(と言って、また看護師さんを呼ぶ) うん。僕がやってみよう。
あ、できた。96だ。
 
そこへ看護師さんもう一つ持ってきた。 試すけどダメ。
 
看護師さん マニキュア除光液あったかな? とってもいいですか?
Y いいです。
 
看護師さんがマニキュア除光液とティッシュをもって、再登場!右手人差し指をきれいにして、再度試す。
 
T はいじゃあ、はさんで。あ、出た。100だ。ボクよりいい。
Y ははは、よかった、ってことは心配ないですね、今のところ。
 
T 胸の音もきれい、酸素もちゃんと取り込まれている。影があるけど(CT)ごくわずか。
今のところは心配ないけど。
Y 抗がん剤の薬のせいで、間質性肺炎になることがあるんですね?ウイルスとかのせいじゃなくて。 それは、いつ頃なることが多いんですか? 例えば初回の抗がん剤の時なのか?もっと遅くなってから?
 
T それはわかりません。 ボクの患者さんで1クール目になった人もいるし、3クール目になった人も、4クール目終わってからなった人もいます。だから、気をつけていないといけないんです。
Y 膠原病の先生からは何か言ってきましたか?カルテは共用ですよね?
T うん。えーと。間質性肺炎はごく微小、乳がんの治療はやっていい。(というニュアンスの難しい医学用語でいった。)
 
Y ってことは、間質性肺炎になるかも?でも抗がん剤はやるべき、ってことですよね。
T そうです。どっちの方が確立が高いか? がんは発生している。間質性肺炎は少し。
これからひどくなるかはわからない。ならないかもしれない。どっちを取りますか?
 
Y 抗がん剤ですよね。今回はちょっと息苦しくなっても、少し休んだらよくなりました。 そういう時はまだ大丈夫ですよね。
T 間質性肺炎は(CT写真を指して)この辺のYさんの写真ではここが、ごくわずかだけど白くなってますよね。これが、この辺まで(肺の半分ぐらい)白くなると、肺に息が入らなくて苦しくなります。そうなると、安静にしていても苦しい。そうなる前に、対処しなければいけません。
すぐに、病院に電話してください。
 
息子 番号わかってる?(私に)
Y わかってるよ。〇×〇×。
T そうそう。ナントカ、ドウトカ(番号の語呂合わせ) だよ。
一同 笑い!
 
娘 先生。もし、間質性肺炎になったら、この治療はどうなりますか?
T 間質性肺炎を治すためにステロイドを大量投与します。
Y 間質性肺炎は治るんですか?
T 治ります。
娘 抗がん剤を中止して、ですか?
T はい。抗がん剤は中止です。 3週間ぐらいかかります。
Y 3週間!? 入院ですか?
T 入院して様子をみます。
Y 抗がん剤をやめて、そのあとはステロイド、そのあとは?手術ですか?それともまた薬?
T それはまた、その時に決めます。
私は振り返って二人をみて、どう?これでクリアになった?と聞いた。
二人はうん。とうなずいたので私は先生の方へ向き直った。
 
T じゃあ、注射をしましょう。すごく痛いんですけどね。
Y はあ?注射痛いのなんて、覚えがない、どこに?筋肉注射ですか?嫌だな。
T いや、皮下注射です。
そういうと廊下を通った看護師に「注射、もってきてくれる?ボクがやるから。」
看護師さん 「え?先生がやるの?珍しい…。」
Y あら、先生がしてくださるんですか?
T 外国人の患者さんとか、すごく怖がるからボクがやることあるんだよ。
と言いながら看護師が持ってきた注射を手のひらでコロコロ。
T あたためると痛くないんだよ。
Y そんなに小さいんだ。(前に、骨スキャンの時に注射した時とおなじくらい)でも痛くて10万円?これで、10万円??
私はタートルネックの首を思い切り伸ばして、左の肩を出す。
T ちょっとちくっとするよ…
私は針が刺さっているところを見たくないので、後の娘を見た。息子もそっぽを向いている。
娘だけガン見! こういうところすごいと思う。
Y 先生、全然痛くない。全く!痛くない。すごいな…。
T ゆっくり入れているからね。 
Y 痛くて10万払うの嫌だもの。
T 高いよねぇ。でも1回300万円の治療もあるんだよ。10回で3000万円。乳がんの治療で。
(たぶん重粒子線だな。)
Y ひやー、桁が違う。
T はいおしまい。
Y 先生すごい!本当に今までで一番痛くなかった。ありがとうございます。
針を抜いて、ばんそうこうを貼ってくれた。
 
Y そうだ。先生に報告していなかったけど、大腸内視鏡をやって、何ともなかった。キレイでした。 それと、胃のレントゲンで経過観察になりましたが、十二指腸球部の変形でした。
骨に転移はなかったんですよね?
 
先生は大腸と胃の情報を素早くカルテに書き込んでから、骨の写真を出して見せてくれた。
T これね。赤いところは変形、青いところも…。がんがあるとこういうところがもっと黒く映るんだけど。ないでしょ? 青いところ(背骨)は曲がってるね。
娘 ママいつも散歩の時背中で腕組んでるもんね。(婆さんみたいに…)
Y 楽なんだもの。 これは?(骨盤に赤いところ)
T これは、足を組むとき片足ばかりやっていると、ゆがむんだよ。
足を組むなら時々組み替えないと。こうなる。
 
ボクもね、コレの見方よくわからないんだけど、はっきり黒いところないから…。
それに放射線医の所見も「骨にがんの転移は見られない。」って。ね。
Y よかったです。わかりました。では、このまま抗がん剤を続けるってことで。
先生、私全然気持ち悪くならないんです。薬剤師さんが「先生がフルコースで吐き気止めを入れてくださってます」っていってました。ありがとうございます。
T あそうなの?それはよかった。じゃあ、そういうことでがんばりましょう!
 
肩をしまって、3人で挨拶をして、診療室を後にした。
 
抗がん剤で間質性肺炎になるか、ならないか?は掛けだ。
『運』かもしれない。
 
今日は立春。