自慢じゃないが、そんなに大きい病気にかかったことは、ない。

 

1980年代バブルの波のまっただ中に就職し、とても忙しく、お金を使う暇もなかった時代に

十二指腸潰瘍で動けなくなり、プロジェクトの途中で会社を辞めた。

 

(会社を辞めた…けど、無職になるのではなく、次の仕事に”ヘッドハント”されての退職。今の時代では考えられない。 バブルとはそういう一面があった。)

 

話が逸れた。 とにかく、十二指腸潰瘍もあとでわかったことだが、私の胃の中には

『ピロリ』くんがいたためだった。

『ピロリ菌』…胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどをひきおこす、ヤツ。

こやつも数年前の特定検診で発見され、除菌が成功して、あれほど胃薬のお世話になっていたのに、今はまったく!必要ないばかりか、便秘もすっかりなくなった。

だから、大きい病気にはかかったことがない。

 

3年前からレイノー現象が冬季限定で現れていたが、

今年は様子が違った。

 

毎日現れるというだけでなく、関節の痛みが出てきた。

手首、肩。 手首は何となく腫れている。

指も、握りにくく、関節部分が腫れているように感じる。

 

私の職場に月に2回、大学病院の先生が往診に来てくださる。

レイノー現象から予想される病気を、どの科(内科・外科・皮膚科…)で診てもらえばいいのか調べていた時、やはり大学病院だろう…とHPを見ていたら、

 

アレルギー・膠原病内科 の紹介ページのトップに見慣れた先生の写真が… 教授?!ですって? 

いつも往診に来てくれている先生が、なんと、専門医師!! それも、トップ教授!

灯台下暗しとはまさに、このこと。

10月の末頃、先生の往診の日。

この日は職員のインフルエンザの予防接種を先生がしてくださる。

いつもは、職員が先生に何かしてもらうことなどない。この日は特別。

注射をしてもらって、他の職員が終わるのを待って、先生に声をかけた。

 

「先生、私、3年前からレイノーが出て…年々症状が出てきて…どこの病院に診てもらえばいいか探してたら先生が専門医だと知って…」

先生は私が話すのをじっと聞きながら

手をとって観察していた。

診ていただいているときにレイノー現象は出ていなかったが、指や手首をみたり、手の皮膚を引っ張ったりした。

 

「強皮症はないようだね。膠原病かもしれないから検査をしたほうがいい。」

 

そして、自分の研究室の医師が勤務している病院を紹介してくれた。

 

本当は先生に診てもらいたかっけど、教授って。

「白い巨塔」を思い出して、いろんな妄想が頭の中をぐるぐるした。

 

次回に続く。

(受診、検査、結果…です。)