落合陽一さんと熊谷慎一郎さんの対談をYouTubeで見ました。
その中で依存と自立について語られています。

ここのところ、様々な場面での権力関係について考えていたのですが、この対談を見て、腑に落ちる部分がありました。
それは、人間は2人だけの関係性だと、依存と支配という立ち位置でその関係を結びやすいということです。

熊谷さんは脳性麻痺という障がいがあり、子どもの頃から大学生になるまで、トイレや入浴の際、常に母親ひとりに介助してもらう生活をされていたそうです。
母親からその介助をしてもらえなかったら、自分は生きていかけない状況だと思ったそうです。
すると、どんなに愛情深い母であっても、自然に母親の顔色を見るようになり、2人には依存と支配の権力関係が生じたといいます。
一対一だとその関係になりやすく、大学生になって複数人に介助してもらう状況になり、選択肢が増えることで母親との一対一の権力関係は崩れていったそうです。

この対談を聞いて、人間は知らず知らず、依存と支配の権力関係に陥ってしまうものなんだと思いました。
愛していても、心配していても、一対一の関係は、そのリスクがあるということです。

おそらく人間は、生存本能から、他者と自分の比較によって、最適な自分の振る舞いを見つけるのだろうと思います。
その場で最適に生きる方法を本能的に選び取るのが人間です。
なので、人間は支配する側にも、支配されて依存する側にもどちらにもなり得るのだと思います。

人間だから自然にそれをやってしまうから、意識して注意しなくちゃいけません。
支配してもいけない、支配されてもいけないと、自分で決めておく必要があります。

かくいう私も一対一で話すことが多い仕事をしています。
意識しないといけないこと、自然に任せていてはダメなこと。
今の関係性は自分が望んでいる形になっているのか?
慣れてしまわず、思い込まず、確認しながら自分の気持ちを見直していくことが大切だと思っています。