学生の頃から私が演奏しているのは、ハンドベルという楽器です。
この楽器の音の特徴の1つとして「倍音」になるということがあります。

倍音を詳しく説明するのは難しいのですが、例えばミの音のベルを鳴らすと、しばらくするとソの音が残る、聞こえるというようなことです。
教会でよく演奏されているパイプオルガンも倍音をもつ楽器です。
教会でハンドベルの演奏をすると、
「ベルと一緒にどこかでパイプオルガンも演奏していたでしょ?」と不思議そうにされる方がいたりします。

先日の、エハン塾 京都文化編では、音楽家のきしもとタローさんらが、ヨーロッパやアジアの珍しい笛とバイオリンとで素晴らしい演奏をしてくださいました。
そのとき使用された笛の音も、倍音になると聞きました。

笛は昔から色んな国で宗教的儀式には必ず用いられるような楽器ですね。

笛は、目に見えない息を、木の筒に吹き込むと、捉えることのできる音に変身させることができる、そんな神秘的な楽器として用いられてきた歴史があるそうです。

パイプオルガンやハンドベルも、どちらも教会で演奏されることの多い楽器です。

神様のことを語る場には、倍音をもつ楽器の音が響き渡るようになっていたのですね。

京都の安楽寺で笛の音を聞きながら、倍音の揺らぎをを人の心と重ねて感じていました。

講演会の途中からずっと
「同時に起きている」
その言葉が私の心から消えなくなりました。

見えたり、聞こえたり、実態としてそこにあるとわかるものから、会えない、触れられない、思うことしかできない、そんな間柄まで。

時空を超えて、全ては、同時に起きていると感じています。

つながりは超えるのです。