古代ケルト民族は、遠く離れて住む人に知らせたいことがあると、森の中の木の葉っぱに告げたそうです。
すると木は葉っぱから葉っぱへその言葉を伝え、やがてそれは遠いところに住む人たちに伝えられたということです。
素敵な伝説ですよね。

私には特別な木の思い出があります。
小さい頃、私は人に悩み事や弱音を言うことができませんでした。
そんなとき話しを聞いてくれたのは木です。

木は私の話しを聞いて、一緒に悲しんだり喜んだりしてくれますが、それ以上に辛がったり、飛び跳ねてはしゃいだりしませんから、私は安心してなんでも話せました。

その時々で心を寄せる木は変わり、そして増えて行きました。どの木も心に深く残っています。

とても悲しかった木との思い出もあります。

ある朝いつものように、通学路に建つ家の玄関先の木に私は話しかけました。
「おはよう。あれ、いつもより元気がないね、どうしたの?」
いつもと違ってたのでそう話しかけました。

その日の夕方その木はそのお家の増築のために切られてしまいました。
私にさよならと伝えてたんだとわかり、大泣きした夜を忘れることはできません。
そしてやっぱり通じ合っていたんなだなと確信しました。

実は今も私にはいろんな話しをしている木があります。

きっとあなたも人に打ち明けていない、ある特別な何かとの思い出がありますよね?