あまりにも異常で危険と言うほかありません。
高市早苗内閣が26日に閣議決定した2026年度予算案の軍事費は過去最大の9兆353億円(米軍再編関係経費などを含む)となり、初めて9兆円を突破しました。
■軍事栄えて民滅ぶ
政府は22年末、安保3文書の一つである「防衛力整備計画」で、23年度から27年度までの5年間で軍事費に43兆円をつぎ込むことを決めました。今回の予算案はこの大軍拡計画の4年目に当たります。22年度の軍事費5・4兆円からわずか4年で、実に3・6兆円もの激増です。
防衛省は「現整備計画の始まった令和5年度(23年度)の約6・8兆円から(予算を)着実に増額し続け史上初の9兆円を計上しました」(予算案資料)と高揚感を隠しません。
しかし、この間の増額分3・6兆円は、26年度予算案の社会保障関係費のうち少子化対策費3・5兆円や介護給付費3・8兆円に匹敵します。国民の暮らしにかかわる予算を圧迫し、文字通り“軍事栄えて民滅ぶ”予算にほかなりません。
防衛省は、今回の軍事費について「日本を守り抜くために必要な予算」などと言い、「防衛力の変革を加速」すると宣言します(同)。
しかし、高市首相が「台湾有事」は「存立危機事態になり得る」と発言したように、その中身は、米国と中国の戦争で自衛隊が安保法制に基づき米軍を支援するための参戦態勢づくりを急ピッチで進めるものです。
■米国の戦争に参戦
実際、防衛省は「防衛力の変革」の第一に、中国大陸にも届く長射程ミサイルである「スタンド・オフ・ミサイルを増強加速」するとしています。関連経費として9733億円を計上しました。
国産や外国製の各種長射程ミサイルの開発・取得を継続するとともに、音速の5倍以上で飛行し迎撃を困難にする極超音速誘導弾の量産に初めて着手します。
防衛省は「防衛力の変革」として「南西地域の防衛体制の強化」も挙げます。
具体的には、那覇市に司令部を置く陸上自衛隊第15旅団に、普通科連隊(地上戦闘部隊)を新しく加えるなどし、より大規模な部隊である第15師団に改編します。防衛省は第15師団について約60年ぶりの師団新設だとしています。
在日米軍の維持経費はすべて米側負担と定めている日米地位協定に反し、米軍再編関係経費や「思いやり予算」などに4451億円が盛り込まれているのも重大です。
馬毛島(鹿児島県西之表市)での米空母艦載機による離着陸訓練などのための自衛隊基地建設や、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設が引き続き強行されようとしているのは許されません。
米国のトランプ政権は日本に対し軍事費をGDP(国内総生産)の3・5%、21兆円にするという法外な要求を突き付けています。
米国言いなりで、平和を脅かし、国民の暮らしを押しつぶす大軍拡にストップをかける運動と世論を強めることが急務です。
「赤旗」主張