Mr.サンデーSPの鬼滅特集で
「うなり声だけで表現する難しさ」を語っていた。確かに声だけだと本当に強く明確な感情が乗ってないと伝わらない。

逆に言うと、
不純物を取り除いた一番本能的な衝動を込められるのは声であり、それだけで充分なのかもしれない。

言葉を話せない赤ちゃんにも動物にも喜怒哀楽はある。赤ちゃんや動物の目を覗き込むと感情が生き生きと伝わってくる。
人間は気持ちと正反対の言葉を口にしたりもする。

だけど本当に相手の心に届くのは、
言葉を話そうと話すまいと
真実の思いがそのまま声に乗った時だと思う。

どれだけ密度の濃い感情や衝動を音に翻訳できるか。どれだけ強く感じて、どれだけその衝動を声に落とし込めるか。

映像実写よりも視覚的情報量の少ないアニメやゲーム、朗読には、さらに密度が必要になる。

声の演者は常に、
言葉を「言霊コトダマ」にして伝え
音にエネルギーを込めて「音霊オトダマ」にする鍛練が必要だとおもう。

声って不思議。
コントロールしようとすると嘘になり
没頭すると浮かび上がってくる。


ピンクな彼をアニメで演じているとき
最初は喋れないことが不自由に感じたけれど
声に色々なものを翻訳できるようになってからはとても自由になったのを思い出した。

特に海外アニメ用にカービィだけ抜き取りする時に感じたのは、世界にもこの感情はこのまま伝わるんだ、ということ。

感情に、声に、国境はない。
それってとても面白いこと。

これからも究極の言霊師・音霊師目指して
鍛練を続けていこう。