祓川にて。
神社・男性の秋の峰入りの出生(でなり)
羽黒山伏・星野先達と


お久しぶりです✨
通常運転に戻りました。

先日、スタジオで同期の豊嶋真千子ちゃんと会い今年で芸歴25周年と気付かされましたが、考えたら出羽三山の神子修行も今年で10年目!

そして同時にお寺の峰入りも7年目。
年二回入ってます。 
普通は年1回なので10年+7年で17年分。

ということで、今回は出羽三山についてしっかり書きたいと思います。


※長いです!


なぜ修験道を始めたの?とよく聞かれるので
この辺りを読んで頂くとお分かりいただけるかと。まだキャピキャピしてますね😅↓

●山と自然と修験道

まとめると。。。
最初に偶然、知らずに宿坊に泊まり
そこで心に染み入る深い体験があり、
そこから調べて出羽三山に行くようになりました。

行を重ねるうちに、
山の中や滝との対話の中で、心が凪いで、
全くのゼロになる感覚がありました。

例えば、役を演じるとき

自分の中の余計な雑音が消えて透明になり
ゼロになった瞬間、
フッと何かが入り込み、考えもしなかった表現が出てくることがあります。
私の体を借りて何かが勝手に話しているような。

それが、役を演じている時の最も良い状態…
いわゆる【ゾーン】の状態ととても近いことを実感。

今ではかなり意識的に再現できるようになりました。  

山と対話していると、自然に意識が広がって
根っこの所にも安心感が生まれます。
 

そんな風に始まった修験も早10年…。

そんな区切りの年に祖母と大叔母が亡くなったので神社の行には入れませんでした。
が、お寺では「むしろ供養になる」と聞き参加。

お寺と神社、なぜ両方の行に参加しているの?とも、よく聞かれます。

最初は単純に

「なぜお寺と神社、二つに修行が分かれているんだろう?何が違うんだろう?」と思ったからでした。

神社では明治の神仏分離令でそもそもの考え方が異なっていたり、

お寺では1400年の歴史の羽黒修験様式を再現していたり、と違いがあります。

お寺には古来から伝わり精錬されてきた包括的な深い学びがあるし、
神社は滝を受けた後のただ【無】になる幸せな感覚が本当に好きです。

一年に一度、携帯や時計から離れ
山の中に身を置いてシンプルになることで
色んなことが見えてきます。
普段は流していたことが浮き彫りになったり。
自分の至らない所が見えて恥ずかしくなったり。

鶴岡駅前にあるショッピングモールのFOODEVERの仮設スペースにはこんなパネルが展示されてました。
ここまで書いているのね。

私にとってはどちらも、
自分と向き合い、見つめ直す大切な時間。


出羽三山は、蜂子皇子が開いた
擬死と再生の生まれ変わりの山といわれています。 

神仏分離令は今の憲法では無効なので
神社の行とお寺の行が
同時期、同じ場所で行われている
不思議な場所。

本来は、お寺も神社も一つだった。
それもあって両方に参加しているのかもしれません。


【修験道】と調べると、ウィキペディアには
森羅万象に命や神霊が宿るとして神奈備(かむなび)磐座(いわくら)を信仰の対象とした古神道に、それらを包括する山岳信仰仏教が習合し、さらには密教などの要素も加味されて確立した日本独特の宗教である

とあります。

『宗教』というと、
人によって怪しく感じる人もいるけど

滝を見て心が洗われたり
雄大な山や自然に畏怖を感じたり
ご来光(お天道さま)に感謝して手を合わせたり
なんていうのは、

自然のなかで生きてきた日本人にとって当たり前の、DNAに刻まれた感覚のような気もします。
 
そうそう。

今回、雨の石段で滑って顔から突っ込んで転んでしまいました。
骨には異常なし。
毎年なにかしらありますが😵
前歯と唇、顎を強打したのでしばらく痛くて噛めず★

【両足首捻挫、顎・顔面打撲症、唇挫創、全治二週間】

という診断。
切り傷のこと挫創(ざそう)っていうんですね。
顔は腫れが引くと痣が拡がってヒゲみたいに。

時間たつと色が濃くなってから消えていきました。

しかしアドレナリン出てると痛みを感じないんですね。両足捻挫してるとは思わず最後まで走ってました。すこし動きづらいな、くらい。



しばらく実家で静養。

でも今回妹が「出羽三山で滝を受けたい!」というので、完治後、また時間見つけて山形へ。


初日は山形の友人の家にお邪魔しました。


手に持っている紫つる菜はソテーにしても粘りがあって美味しいし、生のまま食べても甘くて柔らかくて美味しいのです😋


妹と合流して宮田坊さんに宿泊。
大盃で日本酒を頂けます。
朝のご祈祷つき。

羽黒山随神門。

私服で登るのは始めてかも?
いつもは地下足袋だけど、この日はブーツ。
初心者の方はやはり運動靴がおすすめです。

ここから羽黒山の2446段の石段が始まります。

禊川

五重塔は令和元年11月30日までの特別拝観。
一本も釘を使っていない内部を一般公開しています。
いつもは写真撮らないので新鮮です。
二の坂茶屋

10年来ていて、今回初めて、
二の坂茶屋さんの力餅を食べました。
なめこ汁も美味しかった✨


ひたすら石段を登り続けると、頂上の鳥居が迎えてくれます。


鳥居の左手前に、宿泊施設・斎館があります。


次の日は正善院で開催された早池峰神楽を拝見。

台詞とお囃子を挟みつつ、畳を踏み鳴らしジャンプを繰り返す激しい動き。真剣を振り回しながら舞うインパクトに釘付けになりました。
羽黒山伏が伝えたと言われる早池峰山神楽は、指使いの至るところに印が使われていました。


その後会場を変え、出羽三山シンフォニーという山形交響楽団によるオーケストラプログラムがありました。

 ハリー・ポッター、第9を出羽三山の歴史に繋げた素敵な世界観。
とくに、「もののけ姫」の"アシタカせつ記"が
山々を思い出してとても良かった。

その時、神子でいつもお世話になっている宮野宮司とご一緒したので、はじめて私服で記念撮影。


そして神社の宿坊・斎館に宿泊。

出羽三山の精進料理はとても美味しいのですが、令和元年12月30日までの
【寂光祝膳】
をお願いしました。(3日前までに要予約)

出羽三山神社の三神合祭殿は、
元々は【羽黒山寂光寺】という名前で、
斎館は、寂光寺の宿坊【華藏院】という名前だったそうです。

次の日は妹と湯殿山の滝を受けにいきました。


禰宜の吉住さんに滝を受ける心得を聞いた後だったからか、いつもよりもっと、水が暖かく感じました。

湯殿山は山自体がご神体なので写真を撮すことはできません。
でも、自然に出来たその「御神体」を初めて見たときは、口があんぐり😲空いてしまうような衝撃を覚えました。

初めて見た人はみんなそうなんじゃないかな?
湯殿山に来たことない方は是非一度、
ご神体の力強さをご体験ください。


最後の日の朝、 

私が密かにこの10年ライフワークのように続けてきたこと。山や自然の中で交流すると勝手にでてくる【歌】を、クリスタルボウルで奉納演奏させて頂きました。

慣れ親しんだ出羽三山神社に
この歌を奉納したのは初めて。

人に聞かせたことは殆どありません。

静かに、山や、自然に意識を合わせると出てくる【声】なので、次にどんな音がでるのか私にも全く分かりません。

これは役を演じるときの感覚と同じ。

この日は、前日滝を受けた湯殿山に意識を合わせて歌いました。

観客は、三神合祭殿の神さまのみ。

歌のようで歌ではないから、
「これは自然との交流であって、人に聞かせるものではない」と思ってきたんだけど、

この一対一の奉納で「大丈夫」と言われたような気がして、すこしだけ勇気をもらいました。

これから少しずつ、
機会があれば公開していこうかと思います。