70年前の、あの、夏の日 | makijackの場所

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終戦記念日の2日後、映画「日本のいちばん長い日」を観た。
決して軽い気持ちで観たわけではなく、ある種の覚悟をもって臨んだつもりであったが、ずっしりと響くものがあった。

      ー   玉音放送の、重み。

戦争に関する映像作品や資料はたくさん観てきたつもりだったが、それはすべて、あの日、ラジオの前で拝聴した国民側の視点のものばかりで、放送に至るまでの背景に思いを巡らせたことはなかった
自分の勉強不足を痛感し、自分なりに調べ、登場人物や出来事について復習をした。もう一度観て、さらに理解を深めたいところであるが、ひとまず、今の自分の理解を整理するために文章にしたためてみることとした。

単純化すると(していいものかどうかは別として)、以下のように立場や信念があると理解した。
 天皇…国民の苦しみと文化の消失を憂い断固として自らの言葉で戦争を終結させたい。 
 鈴木首相…いかなる方法でも(自分が死刑になろうとも?)戦争の終結を目指す。
 阿南陸軍大臣…天皇の身を案じ平和的解決を望むも、陸軍内の不穏な動きを封じるため、意に反する訴えを行う。
 二分する陸軍…和平派と徹底抗戦を謳う本土決戦派。
 本土決戦派はさらに2つに…阿南を担ぎ出したいクーデター派と阿南共々内閣を倒さんとす過激派。

天皇による聖断ののち、それぞれの思惑が対立しつつ、やっとのことでまとまる玉音放送の原稿「終戦の詔書」。
予定の時間より大幅に遅れつつ、天皇の録音も済んだが、それで安心してはいられない。

8月14日の深夜から8月15日の玉音放送にかけて宮城(きゅうじょう)事件が起こる。
天皇の録音盤を奪還し、放送を阻止しようとする畑中陸軍少佐らの激昂には鬼気迫るものがあった。

阿南陸軍大臣は陸相官邸にて静かに最期の夜を過ごしていた。
その覚悟を知る妻は、夫が一番知りたがっていたことについてのある情報を得て、急ぎ知らせなくてはと、クーデターの非常事態の中、自宅から夫の元に夜を徹して向かう。

そして8月15日の朝を迎えた日本。
録音盤を巡り緊迫した夜は明けた。
夫のもとにたどり着き、夫に話して聞かせる「軍人の妻」の姿に目頭が熱くなった。

玉音放送が流れ、映画は幕を閉じる。
エンディングのシーンには胸打たれるだろう。

当方の乱文にて興味を持っていただける自信はないが、秀逸な映画のオフィシャルサイトには是非ともアクセスしていただきたい。
ノーカット玉音放送(映画版)とその原稿「終戦の詔書」(原文)が8月末までの期間限定で公開されている。現代語訳も添えられているので、深く理解できるであろうと思う。