今日は「か」の妖怪を5つほど紹介しよう。
加牟波理入道(がんばりにゅうどう)
なんか応援してくれてそうな名前ですけれど、こちらはおトイレの神様です。厠神ね。
大晦日の夜に厠で「加牟波理入道郭公(がんばりにゅうどうほととぎす)」と唱えると1年間便所で妖怪を見ないといわれ、コドモが夜にトイレに行くのを怖がらないように守る神様ですって。
アイヌでは厠神のことを「ミンダルカムイ」と呼び、トイレに入る前には咳払いをするとか。
水木センセイは子供の頃、便所には神様がいるから、帽子をかぶって入ってはいけないって言われたそうだよ。
鎌鼬(かまいたち)
これも有名だね。突然風と共に現れしゃーっと切るっていうやつね。
岐阜の山では地形の関係で特殊な風が吹いているそうで鎌鼬伝説が生まれたのではないかとのこと。
かまいたちって3人1組の神様らしいです。まず1番目の神が突っかかり、2番目の神が切りつけて、3番目の神が薬をつける。よって痛みがないとのこと。
新潟の鎌鼬伝説は、山道で転ぶと襲い掛かるそうなので、転ばないように注意して歩いたそうです。
餓鬼(がき)
これは道端で彷徨う魂のことで、腹ペコな人に憑くよ。
急に腹が減って歩けなくなって眩暈がしたら、餓鬼に取り憑かれちゃってますよ!でも大丈夫。取り憑かれたと思ったらなんでもいいから一口なんか食べてね。
餓鬼には「ダリ」とか「ひだる神」と呼ばれるところもあります。あと似ているものに「餓鬼仏」とか「餓鬼穴」とかもあるようです。
隠れ婆(かくればばあ)
夕方かくれんぼする時は気をつけて!隠れ婆にさらわれるよ。
昔神戸あたりに出たそうで、夕方かくれんぼうすることを戒めたらしいよ。
また隠れ婆は路地の隅とかにて、コドモが来るのを待ち構えていたそうだよ。
島根では「ことりぞ」と呼ばれてて、さらったコドモを絞って皿を焼くのに使う油を取ったらしいです。
長野では大きな袋をもった「ふくろかつぎ」っていうやつが、やはりかくれんぼをする子供をさらったそうだよ。
「コートバーズ」なんて横文字っぽい名前もある地方もあるけど「子取坊主」がなまったものかな?とのこと。
いずれにせよ、夕方遊んでいるとさらわれることもあったんでしょうね。妖怪ではなく普通の変質者だっただけかもしれません。でも、そういう恐怖心が妖怪を生むんだろうね。
火車(かしゃ)
いわゆる火の車ってことぢゃないですよ。
これはね、葬式の時に大風を起こして棺おけを吹き飛ばす妖怪。島根とか鹿児島に出ました。
「火車に憑かれた」と言って恐れるとともに、恥とも考えています。火車に憑かれるのは生前に悪事をしたせいという民間伝承があるから。
他にも葬式に現れる妖怪として、群馬の「テンマル」、鹿児島の「キモトリ」などがいるそうです。
まだまだ「か」の妖怪は続きます。
ほんとに多いんだよ。参ったな。