今日は日本にとって、世界にとって歴史的な日だった。オバマ大統領による広島訪問である。正直、私の生きているうちに現職の米国大統領による広島訪問が実現するとは思わなかった。とてつもないことである。

日本人が思っているよりはるかに米国人は原爆について肯定的である。原爆があったから戦争が早く終わり、多くの命が救われた、そう米国は確信し続けてきた。私も米国在住中に随分いろいろな方と話をしたが、かなりの知識人でもそう思っていることにびっくりした。だからこそ、駐日米国大使による広島訪問ですらなかなか実現しなかった。今年初めてケリー国務長官の訪問が実現した上、その国務長官のアドバイスによってなんと大統領による訪問が実現した。おそらく、今年が日本のサミット開催でなかったら、オバマ大統領が最後の年でなかったら、ケリーが国務長官でなかったら、安倍総理が総理ではなかったら、などなどちょっとしたずれであと10年、20年は実現しないことが、すべて良い方向に重ねって歴史が動いたのである。

そして、オバマ大統領は、核の廃絶だけではなく、戦争の廃絶まで訴えた。唯一の被爆国である日本の、広島の地から、そして原爆ドームや慰霊碑を背景に、その演説が行われたことは人類に記憶されるべき出来事である。

改めて、審議拒否やヤジ、そして対案なき反対のための反対などが繰り返される国会を思うとき、私はこういう国会を変え、日本が世界をリードするレベルの高い政治にしたいと心から願う。

それにしても、深い深い心の余韻が残ることだった。