雨が降り続いている。今、参議院に平和安全特別委員会で採決に向けたぎりぎりの攻防が行われているときだ。私の心にも雨が降り注がれている。

昨日、ペルー人の容疑者が、6人を殺害した疑いで逮捕された。その前には、警察官が強盗に入って殺害したという事件も起きた。いずれも埼玉県でのことである。私たちは家に鍵をかけるのが普通だ。寝るときにはシャッターを閉めるし、最近の高層マンションでは部屋に入るまでに何重もの鍵を通過しないと入ることができない場所もいっぱいある。もし、上記のような事件が近隣で起きれば、家族を守りたい、自分を守りたい、財産を守りたい、という思いで、家の防犯を強化する。

はっきりいって国も同じことだ。国の独立を守り、国民の命や財産を守ろうとするとき、しっかりと鍵をかけ、見張りを強化し、信頼できる近隣の方とともに治安を良くしようと努力する。そして、治安が悪化すれば、当然に防犯体制を強化してより安全を高めなければならない。

今回の法案を「戦争法案」と名付け、「戦争反対」と言っている方の中で、一体どのくらいの方が法案の中身を理解し、世界情勢、なかんずくアジア情勢を理解されているのだろうか。自分の近隣のことや家のことは分かりやすくても、国のことになると分かりにくい。それは当然である。しかし、だからと言って何もしないというわけにはいかないのではないか。

私は国会でも証言をされている元最高裁裁判官の方と一か月ほど前に3時間話をした。分かったのは、その人生において一度も自民党を応援したこともなければ、はっきりと自民党打倒、安倍政権打倒を掲げていらっしゃる方ということだ。つまり、法案反対というのはその通りだとしても、その主たる目的は反自民、反安倍政権ということだ。だから、議論は絶対にかみ合わない。こんな人が最高裁裁判官だったと思うと恐ろしいが、それが日本の現実でもある。

もっとも、政局的なことが主目的ではなく、本当に議論の進め方や法案の中身に冷静な疑問を持たれている方、あるいは良くわかっていないので漠然とした不安に駆られている方もいらっしゃる。やはり、そうした皆様にきちんとご理解を得ることは凄く大切なことだ。私は、先日事務所にふらっといらっしゃったお母さまたちに1時間以上話をし、地元でもあちこちで話をさせて頂いている。それでも、こういう世界全体を俯瞰する法律を説明することは難しい。自民党は、その点は真摯に、謙虚にこれからも説明義務を果たしていかなければならない。分かっていない人を、「分かっていない」と片づけるのでは、鳩山元首相と同じになってしまう。やはり、この点には自民党にも非が残る。

とにかく、謙虚に、誠実に。貫かなければならない。