朝の通勤電車でのこと。

どちらかと言えばかわいい、小柄な女子高生が、目の前でこちらに背を向けて立っていた。

シャンプーの香が
満員の車内をいくらか心地よくした。


彼女は大きなスポーツバッグを両肩に背負い、

バッグで尻が隠れている。


仙台駅に到着すると
降りようとした彼女は、勢いよく体の向きを変えた。

すると スポーツバッグがまだ寝ぼけている敦士の股間に突き刺さった。

バッグには 何やら固い物が入っていたらしく
突然襲われた衝撃で
敦士は息を詰まらせた。


呼吸をすることさえも
困難な事態にあるなかで
敦士もまた この駅で降りねばならない。

声を上げて跳びはねたい

だがここは
ラッシュアワーのホーム

人の波に流されるまま
苦痛な表情で彼は

階段をスキップしながら下りた。



当の女子高生は 全く気付かないまま 足早に去って行った。