ピッチングの科学 ⑤球速を上げる膝の方向 | ゴルフツアープロコーチ・野球トレーナー摩季れい子

野球のスポーツ障害で一番発症しやすい関節は肩関節です。

その肩の故障を予防するには
①肩の周囲の筋肉を鍛え、ストレスに打ち勝つ筋力をつける
②肩関節にストレスを少なくなる投球方法をマスターする
③成長に応じて投球数を管理する

この取り組みが大切ですが、なかなか集団の練習では管理が行き届かず、専門のトレーナーが関われてないのが現状です。

時間や予算などが大きな課題となっているのです。

最近では故障を早期に予防する取り組みとして、メディカルチェックを積極的に取り組むチームも増えて来ています。

少しずつ選手を故障から守る活動が注目されてきました。

治療サイドの考え方も少しづつ変化しつつあります。

最近の治療方針は、温熱や薬の治療に留まらず、整形外科医と野球専門トレーナーが力を合わせ、投球障害で悩む球児のリスク回避に取り組むケースも見られはじめました。

故障からの復活で重要な管理は上記の①②③の管理に加え、一番ストレスとなる使い方のミスを正す取り組みが重要です。

その総合的な管理が選手の故障からの復活も早める訳です。

ケアやトレーニングでしっかりフィジカルを鍛えても、使い方(フォーム)が悪ければ障害は再発を繰り返すことになります。

この点を見逃さないことが大切ですビックリマーク

再発予防をする上でも、鍛えた筋肉をどう使うかを指導するフォーム指導が重要視されて来ているのです。

一昨日のブログでご紹介しましたピッチングの膝の方向が球速とコントロールに関わりがあるということもその一つです。


前脚の回転軸の膝関節がインに入り過ぎる投げ方と、投球方向に膝関節が向く投げ方の違いをまとめてみました。

今回は投球時のインステップについてです。


つまり、膝関節が内側に入る投球での体の回転方向と体重の乗り方についてご紹介します。

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上の写真はアクセレレーションで上体が前に流れ、リリースですでに上体のパワーが前に移動しています。

リリースに力が入りにくい投球ですね。

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フォローでは前脚の膝に体重が乗らず、
リリースポイントにパワーが入らなかった回転ですね。

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フォローで前脚の軸に膝関節が内に入っていたことで、体重も投球方向に乗せられず、後ろ足の蹴りも小さく、ピッチングの回転が小さくなったフィニッシュです。
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つづく