「マキチャントッシュさん、終わりましたよ!」
その声で、目が覚めた。
正確に言うと、
目は開けられなかったが、意識が戻った。
お腹の痛みは?・・・ない。
そして、周りの音がとてもはっきりと聞こえる。
母の、
「どうもありがとうございました。」
とお礼を言っている声も、
「喉に入れてる管(気管内挿管)を抜きますよ~。」
という看護師さんの声も、
「せ~の!」
という誰かの掛け声で
ストレッチャーからベッドへドスン!と移されたのも、
ぜんぶ聞こえた。
でも、
とにかく、眠たい。
目がほとんど開けられない。
だけど、
両親や看護婦さんがいろいろ話しかけてくる。
でも、声が出ない。
眠たいからではなくて、
気管内挿管の影響で声が出なくなっていた。
だから、頭を上下左右に動かすことで、意思表示した。
「手術、うまくいったって!」という母の声に、
私はゆっくりと頷いて応えた。
よかった・・・。
モウロウとした意識の中ででもホッとしたのを、私は覚えている。