安田登 古典を旅する | シッタカの日々のこと

安田登 古典を旅する

 

 

 

古事記のこと、100円書斎Love。


安田登 古典を旅する

 

医者に行って待合室でこんなフリーペーパーを見た。

新世という小冊子。

倫理研究所という団体の出してる冊子らしいが詳しくはわからん。

その中で「安田登 古典を旅する」というちょっとしたコラムが面白かった。

古事記は太安万侶が稗田阿礼の口述伝承を記録したということになっているけどその際に古い日本語を漢字に当てはめたときにニュアンすが変わったという趣旨。

シヌを死ぬと表記したことにより、シヌの意味が少し変わった。シヌはむしろ萎ぬの方が良かったのではないかという。シヌとは生命活動を失ったということではなく、魂が萎えた状態という意味ではなかったのかという。そういえば、今の我々が元気がない時に「死んだーーー」とか「死んでます。」とか自分のことを言うなあと思い至る。

もうひとつヨミを黄泉としたことにより、死者の国は地下になってしまったという。元々はヨミとは黄泉平坂(よもつひらさか)の先のことで地平とか水平の先ということでヒラというくらいで、平らで地下に潜るわけではないという。それが、黄泉の字をあてたことで死者の国は地下のイメージとなってしまったという。そういえば、青森の恐山とか栃木の岩舟山とかのように死ぬと山に登りそこから天へ行くという考えがあったなあとか、梅原猛の神々の流竄でも、死んだ古い神を出雲へと流すというのも死者の国は別に地下じゃないというのに通じるなとか、そんなことも思いつつ。

まあ、短いコラムなんだけど、そこから考えがつながっていってとても面白かった。

視点が新しい。これは新しい発見のある切り口だねと思ったよ。

ちと、続きに期待。