何気ない日々に感謝できる | 14分間の心肺停止から息を吹き返した奇跡の子ミツキのお話

何気ない日々に感謝できる

ミツキが産まれるまでの私は欲張りな人間だったなぁと思う。





衣食住に困ることなく生活できていたし、





親は近くに住んでてすぐ助けてくれるし、





毎日食べたいものが食べれたし、





着たい服も着れたし、





いいとこに住めてると思うし、





夫は優しいし。





もちろんとても幸せでとても満足な毎日だったけど、





なのにそれでも小さな小さなどーーでもいい不満が出てくる時もあって、






贅沢な毎日なのにさらに贅沢なことを求めてしまうこともあった。






良い食材や調味料を揃えないと嫌だとか、





ネットで服を買ってみて気に入らなかったら捨てたらいいやとか、





大好きな母からの電話に「またお母さんか」と思ったり





夫のすね毛が落ちてるだけで「もう!」となったり





お洒落な照明に落ち着くこともあれば「暗いねん!」と思ったり。







でもミツキが産まれてきてくれて、そんなことぜーんぶどうでもよくなった。






ミツキが産まれてきてくれて、全てのことに感謝することが自然とできるようになった。






以前はご飯を食べる前に「いただきます」を言わないこともあったけど、今は必ず言うようにしてる。





ご飯をいただけることは当たり前じゃないから。






前は何を食べようか笑ってしまうくらい真剣に考えてたけど、今は食べれたら何だっていい。






服だって自分の服はたくさんいらない。






着てNICUに行けたらそれでいい。






お母さんは娘の私を心配するからちょっとしたことで電話してくる。





私もNICUに電話してミツキの様子をよく聞いてる。





夫の毛が落ちてるのは夫がいつもそばにいてくれてる証拠。笑






とにかく不思議なことに不満が無くなった。消えた。





ミツキのおかげで私が作り変えられていく。






ミツキが産まれてきてくれてなかったら、ママはいつまでも不満のあるワガママな人間だったよ。






こうしてご飯が食べれて生きてるだけで幸せなことなのにね。






自分で息して自分の足でお散歩に行けるだけで幸せなことなのにね。






好きなものを見て聴きたい音を聴けることって、なんて幸せなことだったんだって。






教えてくれてありがとう、ミツキ。






ミツキはママの大先輩だね。






ミツキが産まれた瞬間からこんなにもママを変えれるのはミツキしかいないよ、





これからもミツキにいろんなことを教わっていきたい。






ミツキ、本当に産まれてきてくれてありがとう。





早く会いたいな、早くギュウってしたい。