それから、数日…父から連絡があり

智くんが描いた製図の屋根の部分が採用される事になった。という事だった。


建物の屋根だけだけど、それが形になるなんて、夢みたいだと智くんが喜んでいた。

もちろんオレだって嬉しいよ。

でも、なんだろう……

どんどん、才能を開花させていく彼に追いつかない気がする。

それに気付いたサトシ



『しょお……は、喜んでくれないの?』

って聞いてきた。

「もちろん嬉しいよ!父に協力してくれて、ありがとう。…でも…」

『でも?』

「智くん…この先、あなたが彌生先生みたいな大芸術家になっても、ずっとオレのそばにいてくれる?」


智くんは、びっくりした顔をして

『そんな事を心配していたの?まさか…オレが芸術家になるなんて…考えすぎだよ』


「いや、いつも智くんは、自分を過小評価してるけど。才能は誰もが認めている事で…💧だから……いつかはオレの所から飛んでいってしまうんじゃないかって……」


声が詰まって先が言えない。

クソッ…涙まで出てきた


『ごめん、しょお……』

智くんが、キュッと抱きしめてくれる。

『大丈夫だよ。飛ぶなんて……』

チュ…

それから、お互いの唇を合わせて

ハムハム噛んだり

舌を絡ませたら

やっぱり立っていられなくなって

座ってもまだ、離れられなかった



『はぁ…ねぇ…しょお……報告がてら、おばあちゃんの家に行き…』

「そうだな。約束だもんな……」

智の言葉が終わらないうちに、同意した。

『今から?それとも明日?』

「まさか……早くてもさ来週の月曜かなぁ……」

『えっ?そんな先?』


自分の休暇は1ヶ月も先だった。

これでも、思い切り無理しての、再来週だったのに…

『じゃあ、いい。電車で行くわ』

と、部屋に向かおうとするサトシに


「わかった。オレも行きたいから、何とか都合つけてみるよ。」

『絶対だよっ』



しかし、それから2日後の事だった


R♬〜R♪〜R..

「あ〜また親父からだよ。智くんが描いた屋根の事かな?」


なんて呑気に電話に出たんだ

「え………おばあちゃんが?」