《大野さんと連絡が取れないんだけど、翔さん知ってる?》
翌朝、というかほぼ、昼だけど。
松本から、連絡があった。
一緒に暮らしてるのを解消したと伝えていたから、今一緒にいるとは思わなかったらしい。
そりゃそうだよ
サトシさんは、連絡どころか…
今も全く起き上がれないんだから
「昨夜一緒に飲んで、今……絶賛二日酔いなんだと思うよ」
《一緒に呑んだ?ぇ……一緒だったの?》
驚く彼に
「松本……悪いけど、オレ智くんと離れて暮らすのは無理だった」
《だった…って。何言ってんだよっ!今更…納得したくれたじゃないかっ!》
《で、大野さんは?》
「今、起きれない。」
《呆れた……来週にNYに行く。向こうのダンサーに来てもらって、振り付け担当の大野さんにも同行して欲しいんだ。……って、伝えてといてくれっ。翔さんも、一緒に暮らしてるなら、尚更しっかり彼を管理して欲しいな。嵐はプロなんだから》
後輩の松本に責め立てられるように言われて、反論ができなかった。
悔しい……
Jrの頃は、あんなにオレを慕って子犬のように、付きまとっていた松本潤……
オレもそんな松本が可愛かった
それがどうだ?
今は、ライバルになって
目の上のタンコブだと言っていた智くんを好きになった。
その松本が、怒りでオレを打ちのめす。
それでも、要件を伝えると
智くんは納得して
『仕事だから……』と
翌週には
松本と一緒にNY行きの便に乗ったんだ。
やっぱり…
こんなの変だと思う
辞めたいと言っていたのに
彼の望んだ個展ではなくて
コンサートだなんて。
益々忙しくなって、彼が嫌がる仕事が増えて、無表情になっていく。
ボタンをかけ違えたような
初めは小さな事なのに……
見逃せない
智くん
本当に後悔してないの?
これが、あなたが嵐に望んだ姿なの?
オレは間違っていたんじゃないか?