“翔、食事が終わったら、納戸の整理手伝って。
「えーっ!」
”智が学校に行ってから、オレは急にコキ使われだした。
とはいえ、納戸の物を全部出すわけにもいかず、この狭いスペースにベッドを入れようとするのか。
無理だろ………
午前中に頼んだと言うとおり、程なくベッドがやって来た。
思ったより小さい
小学生レベルじゃん
広い部屋を独り占めしているのが、何となく後ろめたくなる。
いやいや
オレはこの家の長男だし……
一軒家だけど、部屋数が少ない我が家は、できるだけスペースを大切にしたい。という親父の希望で設計されていた。
だから、余ってる部屋はない。
それを承知で引き取った両親の責任だ。
とにかく荷物を端に寄せて
ベッドを入れたら完成
早く帰って来ないかな?
えっ?
オレの心…今なんて言ったの?
「わぁ〜!」
“急にどうしたのよっ。あ、そろそろ帰ってくる時間だわ”
「えっ!本当に?」
落ち着け………オレ!
アイツが来てから、オレの調子は狂いっぱなしだ。
ピンポーン
《すみませ〜ん》
あら?松本だ
《智くん、熱中症みたいなんですけど…》
“あらっ!大変だわ”