松本から、嵐としてNew Yorkのロックフェスにゲスト出演するというものだった。


「ろっくふぇす〜っ!」

『翔くん、落ち着いて』

「さ、智くんだって、斜めってるよ」

『今更、コンサートみたいな事……』

「そうだよな!嵐だってロックじゃねえし。」


とにかく、休みの期限もギリギリなので、オレは東京に戻ることにした。


『そうか……明日からまた1人…』

1人が好きなあなたが、そんな事を言うなんて……

「寂しいの?」

『翔のせいだ……』

「人間ぽくなったんだよ……」

『何だそれ………バカ………』


チュ……


正直オレも帰りたくない

海と太陽を独り占めみたいな…

一緒に買い物して

一緒に料理して

一緒に泳いで

一緒に釣りして


庭でバーベキューして

星の下でキスをして……


楽しかったなぁ…

ここで、ずっとサトシと暮らせたら………


『明日、送っていくよ』


新車で空港まで送る?

サトシから、そんな言葉を聞くなんて

運転にも車にも全く興味がなかったあなたなのに


「ありがとう……サトシ…キスして」

『うん……』


背中に回した手が、サトシのシャツに手をかけた。

スルッと脱いだあなたは、オレのシャツも脱がしていく


今度、いつこの人を抱けるだろう……


東京でも、明日早いなら

翌日の仕事に影響ないように気を使うのも、ここではそんな事もなかった。



「あなたを此処に置いて行きたくない」

サトシを抱き上げてベッドに運ぶ

『しょお?』

ヤバい泣きそうだ

離れたくない……その思いだけ


何かに追われるように

2人で必死に抱き合った。



「今夜は(姫を)ちゃんと寝室に運ぶよ」

………新婚さんみたいにね。

ちゃんと時間をかけて、ゆっくりサトシを抱きたいんだ。

「だからね゙………良いでしょ?」

あなたは、ちょっと照れたように

『うん……』


月の光…薄明かりの中

そっとベッドに横たえられた、全裸のサトシは

まるで名画のようだった


今夜のこと

オレは一生忘れないだろう

『しょお……泣かないで』


サトシが手を差し伸べた

泣いてなんかないっ




嵐の再開

それは

嬉しいはずの嵐のスタートなのに……



空白の歳月が、おれたちの不安をより一層掻き立てる