とうとう

松本が事務所を退所した。

でも、それは嵐を稼働させるためと言っても過言ではない。………らしい。

嵐って、やはり凄く大きなグループで1人1人が仕事をしても、しても……

偉大な嵐には思いっきり、追いつかないんだと思わせられる。


俺達は…嵐にいたのに

巨大な嵐に道を阻まれる。

5人の力って、合わさると凄いんだな。


また、俺達は話し合いを重ねた。

《忙しい時なのに、来てくれて…みんなありがとう。》

取り敢えず、株式会社嵐

代表取締役社長が決まり

その中で、どんな仕事をしていくのかもそれぞれで決まっていた。


芸能活動だけでなく、芸能事務所兼というのも面白いし、智くんにはアートという芸術事務所も設立される。


『何だか大きくなっちゃって、ちょっと嫌だなぁ…ねぇ。ちゃんと宮古島やキャンブとかにも行けるよね?』

《だからさ、それも仕事の一環でやれば楽しいでしょ?》


智くんは趣味を仕事と結びつけるのを嫌がる。

松本は、それを知らなかった。


こうして、俺達の会社

株式会社嵐は、進みだそうとしていた。

《よし。書類上のことは、依頼してあるけど……それで…ちょっと2人にお願いがあるんだけど……》と

松本が、俺達を見た


オレと智くんのこと?

《悪いけど……ちょっと…、そのぉ……お二人には……》

〔別れて欲しいんでしょ?〕

二宮が遠慮なく物を言う

「えっ!」

[えぇっ?]

『……………』


《……まぁ、そういうことだ》

「嫌だっ!」

『翔くん』

《翔さん。オレたちはまだアイドルだと世間には思われているし、実際ファンの殆どは女子だ。》

〔活動休止中に、オレたち同棲しました!……。って……生々し過ぎるでしょ?〕


《何も、本当に別れろとは言わないけど…、ただのメンバーに戻って欲しいんだ。表面上だけでもね。》


松本が言いたいことは、イヤと言うほどわかった…

解るからこそ……なんか…悔しい

現に二宮、相葉は結婚しているじゃないか…どこがアイドルだよ



嵐復活には、オレ達の別れが必要だなんて…………



その夜は、当然2人揃って自分たちの家に帰ってくるんだけど……

『ふぅっ…何か………疲れたね。しょお。』


智がドサッとソファに腰をかける。

《言葉が出ない……悔しくて……》

『しょお…泣かないで』

「言いたい事は、わかるんだ。だけど……」

オレは泣いているらしい

『何か飲む?』


キッチンに向かおうとするサトシの手を掴んで

『しょお……?』

振り向いた彼の唇を

思い切り塞いだ