結局のその夜は、オレが1人で参加した。

意外なことに、庶民的な居酒屋だったから、軽い集まりだと思ったが……


〔あら?大野さんは?〕

やっぱり二宮に聞かれた。

「うん、ちょっと今調子が悪くて……」

《本当だよ。オレも送っていったぐらいだから。》

〔それなら、それはちょっと心配。てっきり翔さんが、無理やりとかと……〕

「下品なこと言ってんじゃねーぞっ!」

本当だけど、マジでムカツクわ。


《まぁまぁ、今日は結局相葉さんも来れないらしい。取り敢えず2人……特にニノに聞いて欲しくて……》


相葉も来れないなら、オレ…来なくても良かったじゃん。

ちょっと不貞腐れた時だった


《まだ、もう少し先のことなんどけど……》

「うん…」

〔もしかして?〕

《そう。オレ……今の事務所辞めようと思ってる。やっと新しい仕事開設に必要な人材を見つけた……っていうか……》


やはり……

二宮の時ほどの衝撃は無かった……


「………決めたのなら、オレは何も言わないけど……嵐は」

《嵐は、辞めるつもりはない。》

嵐はバラバラになって、個人活動する。

でも、嵐になって活動する時は、嵐になるというのか。


「気持は、わかったけど…、智くんが、なんて言うかな?」

《リーダーには、Zoom会議した時には、もう話してある。》

嵐として……

全員で映画なんてことも無いだろうし

一番ファンが望むコンサート……

これは、智くんが断固やらないと言っていた。


「嵐としての活動って……?」

〔CMは、出来るでしょ。〕

《歌番組とかもね。それに、もし、コンサートってなったら、オレはいくらでも企画、構成に携わりたいし。》


「じゃあ、智くんの命がけの決断の会見って………あの場所で二宮も松本も、いずれにせよ辞めると言って欲しかった。智くんは、日本を敵に回すほどのバッシングが………」


《あの時は………》

〔社長の性加害が、露呈してなかった〕


確かにそうだ。

事務所の不祥事で、世の中は一転した。

先輩、後輩がスルスルと辞めていく中で、スポンサーが離れ

オレたちが、想像もしてなかった状態が続いた。