松本の話は続く……
《大野さん、最近弱くなったんじゃない?オレが、知ってるリーダーはコンサート後でも、疲れ知らずで屈強な男のイメージだった。風邪もひかず、冬でもコート無しで集合場所に現れたり……》
「………………」
正直オレもそれを感じていた。
少なくとも、苦手な話を聞いただけで、目眩がするなんてことは、あり得なかった。
《翔さん?》
「あ、いや…オレもそう思う。……もしかしたら……」
《もしかしたら?》
「ここ最近、彼は宮古島に行ってない……あの人の原動力は、海に出たり、山に入ったりすることなんじゃないか?って、ちょっと思っていたんだ。これからも自然と一緒じゃないと…」
二人の間に、沈黙が漂う
「だから…彼は嵐に戻って仕事するより、大海原に出たほうが浄化される。って、占い師にも言われていたんだよ。」
《そうだったのか。。 ここのところ、ずっと嵐の話で宮古島に行ってないもんね。》
「そう。木の上に巣箱のような家を作って住みたい。と言っていたくらいだからね。家族のために嵐に入って…20年。彼は合わない芸能界に身を置いてきた。もう、良いんじゃないか?と。」
《それ、本人から聞いたの?》
「いや、実はこれ……、二宮から聞いたんだ。彼も智くんから直接聞いた訳じゃないけど。きっとそうなんだろう。とオレも思う。」
《………………》
「これは、余談だけど……」
《なに?》
「智くんは、Jr時代に華々しいJrが苦手だったそうだ。自分より後から入って来たJrが、直ぐにマイクを持って自分より前に踊るのを嫌がったそうだ。」
《へぇ~負けず嫌いな所もあったんだね》
「彼の親友はこの先もずっと町田さんで…」
《それは、わかるけど。じゃあ、売れっ子だったオレたちは、嫌われていたのかな。》
「多分そうじゃない?まぁ、根拠のない余談だけどさ。」
カタン…
『ふぅん。そんな風に思われていたんだ……』