神妙に構える松本の前に、淹れたてのCoffeeを置いた。
《ありがとう……》
それを一口飲んで
《あの……リーダーの事だけど……》
改めて松本が待っていたかのように、切り出した。
「うん…」
《翔さん、急がせてない?》
えっ?オレ?
「どういう事?」
《オレは、リーダーが何を言いたいのか解る。………けど、(嵐の前で)多分言えないんじゃないか?って思ってる》
オレにも言えないことなのか?
いや、オレに言えないと言いたいのか?
何だか腹が立ってきた
「どういう事だよ?」
《…………まぁ…つまり……リーダーが思い描くのは、全く違う新しい嵐で、…仕事として働くと言うよりは、やりたいことをやって、その結果仕事に繋がる……みたいな?》
そんなうまい話があるか
《今の翔さんや、相葉さん見ていると、過去の嵐を引きずって、そっくり今までの嵐にしたいと思ってない?》
「いや、まさか。確かにコンサートとかはどうだろ?………でも、バラエティ番組や映画、ドラマは良いだろうとは思うけど。」
《だからだよ。大野さんは、それが辛かった…いや、辛くなったんだな。
ドラマや、映画をやれば、全国行脚でTVジャックとか…確かに作品にまつわる処々の仕事、それも1人で……。
彼が嵐になってやるならば、過去の作品+プラスで個展とかじゃない?》
「………………」
悔しい事に、反論が出てこない。
《一緒に暮らしてるってことは、いつも一緒だから、軽い気持ちで言ったつもりでも、自分が思うことと違えば、心にズンとのしかかったりするものさ。》
「そんな事は、一切なかったはずだ。」
《本人に聞いたの?》
そう言われたら自信がない
《彼は、芸能人を辞めるつもりだった。だから、嵐の会報にも出てこない。今後は二宮も出ない。実質嵐は3人だと言われるだろう……》
昔……
後輩でオレの後をついて来た松本は
いつの間にか、オレを嗜めたり、説教したり、説得するような人物になっていた。
《話は変わるけど……》