「それにしても、智くん。よく思いを変えてくれたよね〜」

今日は、久しぶりで5人で食事をする約束だった。

出てきた魚のベニエを食べながら、思わず口をついて出た言葉に、自分でもびっくりしてる。


[そりゃ、そうだよね?おーちゃんだって、翔ちゃんに宮古島まで説得に赴かれちゃぁ…流石のおーちゃんだって…]




「あのさぁ、その親しげにおーちゃん、おーちゃんって連呼するの…もうやめてくれない?」

[えっ?いーじゃん!ねぇ。おーちゃん?]

『…うん。』


昔からオレが、呼べないあだ名をコイツは平気で連呼するんだよ。

[それに、出会った時は敬語だったから、そもそも、おーちゃんって呼んで。って言ったのはおーちゃん本人なんだよ。ね?]

『うん』

[ほらぁ] 

だから、オレは後輩だから無理だったのよ。それをズケズケとよくも…

〔…相葉さんも、もう良いでしょ…〕


二宮は、オレが最初からこの名前で、親しげに後輩が呼ぶことを嫌がったのを知っている。


『ふふ…翔くん、その魚はカサゴだよ。カサゴは、余り良い魚として扱われてなかったんだけど、最近素揚げにする事で美味しいと思われるようになったんだ。』

[へぇ~。流石だね。お、ぉ〜の(^_^;)さん]

《オレは大野さんと沖縄で釣りも、ロスでも行ってるから、沢山魚の話をしたよね。》

『そうだね。懐かしい…』



なんだ?何だ?この親しげ自慢は……


〔あのさぁ。今日は嵐の方向性と会社の組織として話し合うんだから、余計な時間かけないでよ。〕

二宮がオレに気を使ったのか、それとも早く帰りたいのか、とにかくこの空気を中断してくれた。


《オレは…最近大野さんのファンの子のことを、考えるようになったんだ。》

『オレのファン?』

「あなた、また…オレにファンはいない!なんて、言うんじゃないでしょうね?」


『ぇ…もう何年も活動してないから、徐々に減って…もういないんじゃないかな?』

《失礼だわっ!》

『え?』

《ファンの子に失礼でしょ?今か今かって、あなたの復活を願ってるんですよ》

『でも、オレ……ちゃんと』


〔ちゃんと、お別れしたってこと?あのさぁ。あなた、解散もしてないグループに名前残してんだから、そのぐらいわかるでしょ!〕



ププッ、説教されてる

何か…おもしろい展開になってきたぞ